迷走、という言葉が当てはまる状況ではないでしょうか。
日経新聞より。
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文部科学省の有識者会議は(6月)30日、2024年度以降の大学入学共通テストの枠組みでの英語民間検定試験や記述式問題の導入は困難とする提言を取りまとめた。同省は提言を踏まえ、近く導入断念を決める。改革の2本柱が再び頓挫することで、大学入試は現行方式が維持されることになる。
思い起こせば2017年のこと。
文科省は2021年1月実施の第1回共通テストで記述式問題を導入し、
民間試験を活用して「読む・聞く・書く・話す」の英語4技能を評価する、
という計画を決めました。
その後、英語民間試験の活用を導入する計画も決定。
当初から採点ミスの恐れや地域や受験機会に差が出るといった懸念が
専門家らから指摘されていたにもかかわらず、
文科省は抜本的な解決策を示せぬまま、2019年に相次いで見送りとなりました。
当時の受験生、そして指導してきた先生方や学校は
やり場のない不満にさいなまれたことと思います。
実際、私もそのような声をたくさんお聞きしました。
おそらくそのような混乱を防ぐ意図があったのでしょう、
今回は当時よりも早めに、方針を固めたことになります。
内容は以下の図の通りです。
提言は記述式について採点ミスの根絶は困難と指摘。民間試験も公平性に課題が残り、いずれも導入は難しいと結論づけた。代わりに個別入試での活用促進に向け、国に民間試験の受験料減免への取り組みなどを求めた。
「政治主導」という言葉が金科玉条のごとく扱われ、
理念なのか思いつきなのかもよく分からないようなテーマに突き進む…
結果として、人生を揺るがされるような迷惑をこうむるのは子どもたちです。
このようなことは二度とあってはならないと思います。
そしてこのことは、各私学の舵取りをする経営陣にも言えることかもしれません。
将来をどう定義するのか。
そして現状はどうなっているのか。
両者の位置関係から、その実現可能性はどの程度あるのか。
そういったことを、熱いハートと冷静な頭脳でバランスよく判断せねばなりません。
貴校園が目指す場所はどこでしょうか。
そこにどうやってたどり着きますか。
その問いに対する答えを、真摯に考えることが経営なのかもしれませんね。
(文責:吉田)