寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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千葉工大、志願者なぜ飛躍

生徒募集のヒントになればという想いで、実例をご紹介します。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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新型コロナウイルスは大学経営にも影を落とす。少子化に加え、大都市圏への進学を見合わせる動きなどから、2021年は主要私大が志願者を軒並み減らした。そんな逆風下で千葉工業大学(千葉県習志野市)の躍進が目立つ。背景には受験生本位の入試や認知度を高める改革の積み重ねがある。


まずはデータのご紹介から。

この記事に登場する千葉工業大学の2021年入試の志願者数は108,707人で、

前年から5.3%増えたそうです。

志願者数そのものも私大で全国2位(1位は近畿大学)、

しかも上位10大学のうちで唯一の増加だったとのこと、

さらにその増加数は私大でトップだったと記事にあります。

 

理由のひとつが検定料の無償化です。

2021年入試では、大学入学共通テストを利用した入試で

検定料(1万5000円)を免除。

そして大学独自の入試でも、同じ試験日なら1学科分3万円の受験料で

何学科でも併願可、複数日の受験も1日あたり5000円の上乗せのみ。

受験生とそのご家庭にとっては受験しやすい環境が生まれたことになります。

ちなみに、出願も試験日前日まで受け付けたそうです。

 

その他、記事には

・感染対策の徹底(正門に学生の検温所設置。検温や消毒の徹底により2020年6月には対面授業を一部再開。全学生・教職員へのPCR検査)

・大学改革の実施(旧工学部を3学部に再編し学生に目が届きやすく。補講や再試験の拡充)

といった内容も掲載されています。

大学改革によって1000人以上いた留年が10年間で半減、

退学率は約2%と全大学平均を下回ったとのこと。

このような成果が表れての募集結果だったのかもしれません。

 

 

検定料は大学にとって一つの収入源と言えると思いますが、

さてその後の学生の在籍で得られる収入と比べて、

重要性がどれほど高いか、という観点で検討することは稀な気がします。

 

これは中高ではなおさらのこと。

大学ほど受験機会が多くない中高においては、

実は検定料収入のインパクトは学校財政上、

それほど大きくないのかもしれません。

貴校園ではどのようにお考えになりますか。

それ以外の施策も含めて、ご参考になれば幸いです。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp