学校と地域とが良好な関係を築くこと、大切ですよね。
こんな事例が紹介されていました。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
今回の記事は共愛学園前橋国際大学の大森昭生学長が寄稿されたもので、
同大は卒業生の地元定着率向上で実績を上げておられます。
できれば全文をお読みいただきたいと思うくらい、
私にとって気づきの多い記事でした。
その一片でもこのブログでご紹介できればと思います。
この記事の冒頭、こんなひとことがバンと書かれています。
「大学にはできないことがたくさんある」
これに続けて、
「このことを自覚すると大学の学び、大学のあり方が変わってくる」とも。
できないことの自覚が行動を変えること、本当にその通りだと思います。
学生たちが、この予測困難な時代を幸せに生きる力を身につけるには理論を学ぶだけでは十分でない。理論と実践の往還が必須である。ところが、大学には現場も実践も無いのだ。
大学にできないなら、できる人にお願いするしかない。そこで「地学一体」の取り組みが生まれる。地域と大学が一体となるという意味だ。
産学連携、といった言葉はあっても、
「地学一体」というのは聞いたことがありませんでした。
記事を読むと、ありがちな地元企業での短期間インターンに限らず、
・半年間大学に通う代わりに市役所や地元企業でインターン
・山間地域に通い、高齢住民の「孫」になる
・地元の企業とコラボして特産品を商品化して販売する
・赤城山麓を自転車でまわり、おすすめマップを作る
など、地域密着を地で行く学生が多くいらっしゃるご様子です。
さらには、この地元課題を海外とつないで考える学生も。
地元企業のビジネスミッションを異国の地でこなす海外研修のプログラムもある。2019年のある調査で本学は短期も含めた海外研修参加率が全国2位だった。グローバルな経験を通して得た力は地域に還元される。いわば飛び立たないグローバル人材であり、本学がめざすグローカル・リーダーの育成である。
この事例は大学のものではありますが、やり方に違いはあれ、
中高であっても地域活性化との関係は決して薄くないでしょう。
立地する地域とどう関わるのか、
そのことが学校の繁栄や永続と強い相関があるような気がしてなりません。
そしてもうひとつ、この記事には学校のあり方、存在意義を考える上で
非常に重要な記述がありました。
こちらをご紹介して、本日のブログを閉じたいと思います。
新型コロナウイルス禍は、改めて大学がなぜそこにあるのかという問いを私たちに突きつけた。
全てオンライン授業で済むのなら本学は群馬に、前橋にある必要はない。133年前の市民の思い、現在の地域の期待、そして学生たちの未来のために、ここでしかできない学びにこだわり続けていきたい。一極集中が見直される今、大学の在り方の多様性もますます評価されていくだろう。
(文責:吉田)