その後も続報が次々出ている「子ども庁」の話題。
今朝の新聞でも同庁の記事が載っていましたが、
本日ご紹介するのは先月の記事。
ただ、最初の論点整理としては適当ではないでしょうか。
ざっとだけ押さえておきましょう。
日経新聞より。
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菅義偉首相が検討を指示した「子ども庁」の創設を巡る政府・自民党の議論が活発になってきた。内閣府と文部科学省がつくった原案は別々の府省が担当する幼稚園、保育所、認定こども園の所管を新組織に一元化する構想で一致する。
よく似ているような、根本的に違うような…
ポイントになりそうなのは、
「新組織の所掌の広さはどこまでか」「上司は誰か」
の2点になりそうな気がします。
まずは所掌について。
小中学校に関してはこれまで文科省が所管してきていますが、
これを子ども庁に移すのか、という点が論点になっているようです。
仮に移すとなれば、高校との接続についてはどうなるのでしょうか…
もちろん、何とかなるのでしょうが、それであればなぜ小中だけ移すのか、
不思議な気もいたします。
そして上司、上位機関について。
文科省としては権限を手放したくない想いがあるのでしょうが、
文科省の中に子ども庁を作るという案になっています。
これで当初の目的を達せられるのか、単に役所を一つ増やすだけにならないか、
かえって決裁に時間がかかるようになるのでは…と心配になります。
もちろん、内閣府案を採ったとしても、
教育行政を担う文科省との調整に時間がかからないかという点は心配ですね。
組織は戦略に従う、という言葉があり、私はこの言葉が好きです。
その意味で、時代背景と政策の重点化によって、
子どもを中心とした役所の再編をしようという意図は理解しているつもりです。
ただ、結局は権限の綱引きのようなものになってしまって、
肝心の目的、子どもたちの育ちを支えるという観点が置き去りになるのでは、
という不安や懸念は消えません。
そもそも、組織の「形」を変えずとも、現状の組織を前提に、
「やり方」を変えることで何とでもなるのではないか、とも思います。
この話、中央省庁の話ではありますが、
貴校園でも同じようなことは起きていないでしょうか。
何事も組織化して当たることは重要ですが、
箱だけ用意すれば何とかなる、というものではありません。
しっかりと中身を詰めることに、常に意識を向けておくことが重要でしょう。
(文責:吉田)