飛び石の平日。いかがお過ごしでしょうか。
4月最終日ですが、今月公表された少し気になる記事をご紹介します。
日経新聞より。
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厚生労働省と文部科学省は12日、家族の介護や世話を担う子ども「ヤングケアラー」に関する初の実態調査を公表した。中学2年生の17人に1人にあたる5.7%が「世話している家族がいる」と回答。このうち、1日7時間以上ケアに従事する子どもも1割程度、確認された。
この調査は2020年12月以降に全国の中学2年生を対象に実施され、
5558人が回答しています。
「ヤングケアラー」という言葉を、
このニュースで初めてちゃんと認識したのですが、
なるほど、子どもたちの中にもケアする側になっているケースが
これほど多くなっているということはぜひ把握しておきたいところです。
当然、ケアラーはヤングに限らず、
社会としての支援が必要であることは言うまでもないのですが。
そして子どもたちがケアする側になっている場合、
大人以上に時間の制約が問題になりそうです。
この結果で驚いたのは、家族を世話していると答えた生徒のうち、
1日のケア時間が「7時間以上」に及んでいたケースが11.6%もあったことです。
7時間以上がケア、となってしまうと、学校に行く時間や睡眠時間を除けば、
自分時間はほぼゼロでしょう。
上のグラフでもそのことが表現されているように思います。
私の実家も以前、10年間の自宅介護を経験したのですが、
母は勤めていた仕事を辞め、介護する側の精神面の厳しさを吐露していました。
私自身は時折帰省して、1泊の間だけ母の代わりを務めましたが、
ほとんど睡眠がとれず、本当に大変だと実感しました。
中学生や高校生には本当に負担が大きいことでしょう。
貴校園では子どもたちの生活の様子を、どのように把握されているでしょうか。
今回の調査のようなことはなかなか難しいかもしれませんが、
教育環境を整えるという観点からも、ぜひ実態把握をいただければと思います。
ちなみに、国でも対応を進める予定とのことです。ご参考までに。
菅義偉首相は3月に支援を表明しており、両省は12日に開いたヤングケアラーの支援策を検討するプロジェクトチーム(PT)で今回の調査を報告した。5月にはヤングケアラーの早期発見や支援策などを盛り込んだ報告書を作成し、今夏にまとめる骨太の方針(政府の経済財政運営と改革の基本方針)に盛り込んで支援につなげる計画だ。
(文責:吉田)