先週はとんでもないニュースが入ってきましたね。
4億円…すごい金額です。
日経新聞より。
全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」(東京・千代田)は9日、2017~19年度に約3億2千万円に上る不正支出があったと明らかにした。その後も8千万円超の引き出しがあり、使途不明の総額は4億円超に上る可能性がある。連合会は前会長の香川敬氏に対して民事・刑事両面の法的措置を検討する。
このニュースは最初に報道されてから連日マスコミでも扱われており、
今後事実がどんどん明らかになっていくとは思いますが、
現段階では大きな使途不明金が見つかったというところまでのようです。
19年度決算について連合会が20年9月に監査した際、通帳や口座の残高証明が事務局から提出されず、香川氏が会計上の不備の責任を取るとして同11月に辞任した。連合会が弁護士らに委託して調査したところ、必要な承認なく基金が取り崩されるなどして、不正な支出が横行していたことが発覚した。
あくまでも現時点での報道ですので、推測の域を出ないのですが、
いくつか引っかかることがあります。
まずは2019年度決算の監査が2020年9月に実施されていること。
決算監査は決算確定の時期になされるのではないのでしょうか。
もしそうであれば5月頃が正しい時期のはず。そもそもここに違和感があります。
そして弁護士の調査で「不正な支出が横行していたことが発覚」とあります。
記事の冒頭でも「2017~」19年度に約3億2千万円に上る不正支出があった、
とあり、それまでの監査はどうなっていたのか、と疑問が募ります。
全国の幼稚園にこの影響が及ばないようにと願う一方で、
本日のブログでこの記事を採り上げた一番の理由は、
私学の皆さんに、自校園の監査がきちんと行われているか、
もう一度しっかりとご確認いただきたいと思ったところにあります。
会計監査は当然実施されるべきものではありますが、
監事監査、会計士監査ともに、毎年のルーティンになってしまっている、
というケースはきっと少なくないでしょう。
今回の幼稚園連合会の事件も、そのような状況を逆手に取られ、
何となく監査を済ませてきたことで事が大きくなったのではないか、
とも思ってしまいます。
監事監査はともかく、会計士監査で見抜けないことはないのではないか、
と考える向きもおありかもしれませんが、
監査の知識や実力のない私ごときが、
会計士監査後の決算書に誤りがあることを見つけたことも
一度や二度では済みません。
監査をルーティンにすることなく、ぜひとも学内の複数の目で、
しっかりとチェックを行っていただきたいと思います。
(文責:吉田)