人口偏在に少しは変化が出るのでしょうか。
日経新聞より。
総務省が(1月)29日公表した2020年の住民基本台帳の人口移動報告によると、東京から出て行く人を示す転出者数が計40万1805人と前年比4.7%増え、比較可能な14年以降で最大になった。近年は東京への一極集中が続いていたが、地方でのテレワークを志向する人が増えるなど新型コロナウイルス禍で流れが変わった。
テレワークの普及によって、住む場所を変える人が多く出現した、とのこと。
居住地を選ぶ観点として、仕事の影響力がいかに大きいか、
よく分かる調査結果とも言えるのかもしれません。
ただそれでも東京都は転入超過の状況が続いてはいて、
2020年においても日本一。
偏在の流れが変わったとまでは言えないのかもしれません。
転入超過、転出超過の大きい都府県は
下の表が分かりやすく示してくれています。
上の表からも分かる通り、東京圏、首都圏という言い方をすれば、
これまでの流れとそう大きく変わらない、ということも言えそうです。
確かに東京都への集中は少し収まったのかもしれませんが、
周辺の県を含めればまだまだ人の流れはそちらへ、
という傾向が見えます。
ニッセイ基礎研究所の天野馨南子氏は「これまで20年以上、転入超過が続いてきたのは、正規の仕事が東京に多いという理由がある」と指摘する。「地方での仕事が増えない限り、一極集中の流れは簡単には変わらない」と分析する。
東京への転入超過数には男女で違いもある。男性の9632人に対し女性は2万1493人と2倍以上だった。天野氏は「女性の方が地方で選べる仕事の幅が狭く、東京に集まる傾向が強い」とし、「女性の移住が増えなければ未婚化や少子化も進み、地方創生にはつながらない」と課題を指摘している。
さてこの人口動態、私学経営にとって非常に大きな影響を及ぼします。
貴校園の教育理念を実現するための学校規模設定を常に意識するとともに、
立地する地域の人口の動きはしっかり見ておきたいですね。
そして、学校は社会人を輩出する機関でもありますから、
貴校園を巣立った人材がまたご当地で活躍できるように、
産業を育てていくという観点もまた必要なのかもしれません。
この循環がうまく整えば、地域の活性化も学校の永続も
同時に成立するような気がするのですがいかがでしょうか。
(文責:吉田)