給料は現金でもらわないと。振込なんてとんでもない。
…なんて言ってる場合ではありません。
(某私学で実際に耳にしたご発言です)
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
政府は今春から企業が給与を銀行口座を介さずに支払えるようにする。従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込む方式を認める。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。遅れていた日本のキャッシュレス化を進める契機になりそうだ。給与振込口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。
コンビニなどに行くと、電子決済もかなり増えてきた印象はありますが、
実際、下のグラフのように順調に増えてきてはいるようですね。
キャッシュレス推進協議会によると、
QRコードを月1回は利用したことがある人が
2020年9月に3000万人を超えたとのこと。
とこの新聞記事には書かれています。
一方で、賃金の支払は法律で通貨払いが義務付けられています。
冒頭ご紹介した発言は、労働基準法に規定されている
「通貨で直接、労働者に全額払う」
という内容を狭く解釈すればその通りであって、
銀行振込がまだ普及する以前は多くあった争いのひとつです。
(さすがに最近は聞きませんが)
しかし今後の商取引において、電子決済が主流になっていくことは
おそらく間違いないでしょう。
その中で、給与が通貨払いのみというのは
かえって不便になってしまうことも考えられます。
米国では銀行口座を介さない給与払いの受け皿としてプリペイドの「ペイロールカード」が広がる。米調査会社によると2021年に550億ドル(5兆7000億円)の給与がペイロールカードに振り込まれ、10年前の2倍超になる見通しだ。
日本は安全性などへの懸念から解禁の先送りが続いていた。給与は生活資金の土台になるため資金移動業者が破綻した際などの影響が大きく、連合などが反対してきた。
政府は安全基準をみたした企業に限ることで理解を得る方針だ。3月末にも労基法に基づく省令を改正し、資金移動業者も例外的に認める対象に加える。利用者が銀行口座と好きな方を使える選択の余地も残す考えだ。
安全性の確保は重要な課題だと思いますが、
一方でこのように新しいしくみ、枠組がどんどん入ってきて、
気付けばそれが当たり前、というふうに物事は進んでいきます。
これまで慣れ親しんだことから離れる不安や苦しさは当然ありますが、
そのことが新しさを嫌悪する気持ちにならないようにせねばならない、
とも感じます。
これは学校でのいろんなしくみや慣習にも言えることではないでしょうか。
新たな発想、新たな技術、新たな意見に対する自由さを学ぶこともまた、
学校のひとつの役割なのかもしれませんね。
(文責:吉田)