このご時世、「機会」を探すことはなかなか難しいかもしれませんが、
そのような意識を持つだけで景色が変わるようにも思います。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
この記事は、東京大学総長室アドバイザーを務める酒井氏の寄稿です。
最初に出てくるのはアメリカの大学。こんなふうに紹介されています。
米国の大学は、グローバルランキング20に14校が入るなど世界の高等教育の頂点にある。大学により経営戦略は様々だが、未来志向で安定成長を目指す点は共通する。全米のみならず世界から学生を集める一大産業でもある。
貴校園の経営戦略は未来志向で安定成長を図るものでしょうか。
まずは学校法人において経営戦略が必要であることを
しっかり腑に落としたいところです。
そしてそのうえで、アメリカの大学には日本の大学にない
「物差し」があることが紹介されています。
それは「財務格付け」。
もちろん、日本でも上場企業には存在しますが、
私学が財務格付け上位を目指すという動きは決して一般的ではないでしょう。
しかし、先日このブログでもご紹介した学校債を発行する際には、
当然のように財務の健全性が問われるものです。
それを分かりやすく示した一つの指標が財務格付けと言えるのではないでしょうか。
まだ個人的な思いでしかないのですが、私は、
日本において学校を選ぶ時の物差しがとても少ないことを残念に思っています。
多くの学校、多くの家庭は「進学実績」という物差しを頼りにし、
それ以外の物差しを作ろうとする動きはそれほど強くありません。
ただ、少子化が進む中で、学校の経営の安全性や健全性というのは
そこに通う子どもたち、あるいは通わせる保護者家庭にとって
本当は重要な要素であるはずです。
健全経営がなされていることが学校を選ぶ一つの物差しになれば、
急な方針転換や財産処分等で子供の学びが損なわれる危険性は
小さくなるのではないか、と思います。
足元では、米国の大学はオンライン授業が増え、学費引き下げ要求が出たほか宿舎関連の収入は激減した。しかも米国留学は卒業後も米国で働くことを前提とする学生が多いので、米経済が本格的に再始動しないままでは高い学費などを払ってまで留学する魅力は薄れるだろう。
コロナ禍は、日本の大学にとってはチャンスになる。安い授業料で質の高い教育を売り込めば、世界の学生はバブル期以来、再び日本を向くだろう。チャンスを生かせる大学は少なくない。大学経営陣の迅速な対応に期待したい。
今回の記事は大学を想定したものでしたが、
小中高でも同様の観点が重要だと感じます。
計画的な学校経営が、貴校園の今後の躍進をきっと支えてくれることでしょう。
(文責:吉田)