これまでで最も大きな波がやってきているコロナ禍。
この先もしばらくは慎重さが求められる中、
学校は極力日常を続けることが求められています。
そんな状況を受けてか、授業のあり方について、
メディアの記事も多くなっています。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
新型コロナウイルスの感染が各地で再び急増するなか、大学が対面授業の拡大に苦心している。授業参加者を絞るなど手探りで3密回避を進めるがクラスター(感染者集団)は頻発。対策に充てる資金が乏しい大学もある。質の高い教育と感染対策を両立できるかが大学の評価を分けそうだ。
今回の記事に登場するのは実技が必要となる学科の授業。
立体造形を学ぶ授業では、4人がけの机を学生2人で使い、
私語はほとんどない、と書かれています。
実技はすべてをオンラインにすることはおそらく難しいでしょうから、
この大学でも後期からは授業の4割を対面、
あるいは対面と遠隔の併用で実施することにしたそうです。
文部科学省が実施した調査(8~9月)によりますと、
全国の大学における後期授業を「全面対面」とするのは19%で、
「対面と遠隔の併用」が80%と圧倒的に多く、
うち「ほとんど遠隔」は約2割だったとのこと。
そして、学生数が多い地域ほど対面授業に慎重な対応が見られ、
関東は9%と最低だったのに対し、
北海道・東北は34%、中国・四国は33%と差が開いています。
ただ、学校に来て感染リスクが上がるのは授業中ではなく、
むしろ休憩時間や食事中、あるいは部活動中でしょう。
これらの時間をどう過ごすのか。
各校園の模索は続いているものと思われます。
今回の記事でも各大学が入構者数そのものを制限したり、
検温所を多く設けたり、PCR検査センターを設置したり…
といった例が挙げられています。
感染を防ぐために移動を抑制することはやむを得ないことであり、
学生さんには気の毒なことではあるのですが、
このような方法を採らざるを得ないことについては
一定理解できる気がします。
ただ、学校では「以前に戻ることが正解」といった動きが
未だに見られるのが少し残念な気もします。
もちろん、教育内容によってはこれまでの方法が依然としてベスト、
というケースがあることは理解できるのですが、
逆にそのようなケースこそ限定的であって、
これまでには気づかなかった方法論に気付けるチャンスでもあるはずです。
今回の記事でも、こんなことが書かれていました。
早稲田大は原則遠隔で、遠隔の動画で予習して対面の討論などで学びを深める「反転授業」を広げる準備を進める。「オンライン講義の教育効果は相当高いことが分かった。先陣を切って新しい授業方法を展開していく」(田中愛治総長)
これまでのやり方に戻そう、という気持ちはともすると、
新しい方法の発見を妨げる危険性があります。
今こそ、「別の方法で目的達成するには」という柔軟さが
必要だと思うのですがいかがでしょうか。
(文責:吉田)