日経新聞の連載、「やさしい経済学」。
先日まで「幸せ中心社会への転換」というテーマで記事が挙がっておりました。
なんとも興味深いタイトルに魅かれて読んでいると、
ある日、こんな内容が掲載されたのです。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
いま、日本の学校が大きく変わりつつあります。新しい学習指導要領が幼稚園では2018年度から、小学校では20年度から適用されており、中学校は21年度から、高校は22年度から順次適用されます。この改革が一貫して重視しているのが「主体的・対話的で深い学び」です。
興味深いことに「主体的・対話的で深い学び」は幸せの条件と似ています。主体性は幸福度に大きく影響し、対話によって深くわかりあったり、より良い人間関係を築いたりすることも関係しています。そして、学び成長しようという姿勢も幸福度に寄与します。つまり、この改革は幸せな人を育てる教育への転換ともいえそうです。
幸せな人を育てる教育。
おそらく、建学の精神において、これに近い理念を掲げる私学も
少なくないのではないでしょうか。
このテーマで筆者は、逆説的に「不幸せな教育」について
考察していらっしゃいます。
私が求めた幸せの4つの因子との対比で考えましょう。
1つ目は「自己実現と成長」の因子でした。「やってみよう」と主体的にものごとに挑む因子ですから、この逆はやらされている、やりたくない、と感じる状況です。無気力で受け身な人間を育成するのは幸せではない教育です。2つ目は「つながりと感謝」です。逆は対話がなく孤独感や孤立を感じ、思いやりや利他性が欠如した教育です。3つ目は「前向きと楽観」で、この逆は後ろ向きで悲観的な教育、つまりチャレンジ精神の欠如です。4つ目は「独立と自分らしさ」。人と自分を比べすぎず、自分らしく生きる人は幸せですが、その逆は、偏差値などの画一的な価値観のもと、人を比較しすぎる教育ではないでしょうか。
非常に短くまとめられた記事ですが、
気づきはいろいろとあるのではないでしょうか。
自己実現と成長、つながりと感謝、前向きと楽観、そして独立と自分らしさ。
これまで学校の独自性を訴える要素として
英語やグローバルが多くなってきていましたが、
幸せな人を育てるための因子はこれからの時代にもマッチしそうな印象があります。
年末が近づき、中期計画の策定も佳境を迎える頃かと思います。
自校園の進む方向を示す指針として、
今回の記事も参考になるところがあればと願っております。
(文責:吉田)