少し遅くなりましたが、夏のボーナスの統計をご紹介します。
日経新聞より。
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経団連は(8月)5日、大手企業の2020年夏賞与(ボーナス)の最終集計結果を発表した。回答した153社の妥結額は加重平均で90万1147円と19年夏から2.17%減った。2年連続で前年を下回った。新型コロナウイルス禍による収益の悪化が響いた。所得の減少や消費者心理の冷え込みで景気の持ち直しの遅れにつながる恐れがある。
この話題を採り上げる時には毎度お伝えしていることですが、
上記金額はあくまでも「大手企業の平均値」です。
下がってはいますがそれでも90万円。なかなかの金額です。
ただ、多くの私学ではこれに近い、あるいはこれすら上回るような
金額水準になっているのではないでしょうか。
賞与は特に企業規模が大きく影響するものですので、
この点については各私学とも非常に恵まれた状況といえるでしょう。
一方で、もし経営継続が難しくなってきつつあるような私学があれば、
賞与の額が本当に適切なのかという点は一考の余地があります。
参考までに、これもいつも確認している、
大阪シティ信用金庫の調査結果を見てみましょう。
原典はこちらです。
そして、調査結果をまとめるとこうなります。
・夏の賞与を支給する、とした企業の割合は50.4%(昨夏より9.4ポイントの大幅減)
・平均支給予定額は27万8,946円(昨夏より約5%減)
いかがでしょうか。
中小企業の場合には、半数が賞与を支給しない、ということ、
そして支給額も約28万円と、大企業の実に3分の1です。
この夏の減少率も大企業は2%強であるところ、
中小企業は5%と大きくなっています。
賞与を含め、人件費をある程度確保することは学校経営上、
とても大切なことですし、必要条件とも言えるでしょう。
ただし、それが行き過ぎて、経営が傾いてしまっては
逆に教職員にも迷惑をかけてしまうことになります。
特に賞与は本来「業績還元」としての意味を持つものですから、
今後さらに少子化が進む中においては、
多少なりとも経営上の変動費の要素を持たせる必要があるでしょう。
参考値として持ち出すのは大企業の数字に偏ることなく、
今回ご紹介した中小企業の数値も念頭に置かれたうえで、
今後の私学経営を組み立てていただければと思います。
(文責:吉田)