寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

財務の持続可能性と安定性

明日から弊社は夏季休暇に入ります。

ブログも少しだけお休みさせていただきます。

皆様、よいお盆休みをお過ごしくださいね。

 

さて、たびたびご紹介している日経新聞の以前の連載記事、

「ポスト・コロナ時代の大学経営」。

今回は財務の話題です。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

大学の使命は教育研究であり、利益が目的ではありません。しかし、教育や研究の成果が表れるには長い期間が必要です。そのため持続的な活動に必要な財務的資源を調達し、管理しなければなりません。

 

大学以外の教育機関では「研究」より「教育」が中心的な活動になる、

とは思いますが、それでも教育活動が成果を生むまでには

それなりに時間がかかる、というのは大学と同じです。

そして何より、学校には卒業生が常にいますから、

その卒業生の「帰る場所」「原点」が学校である、とも言えます。

 

そんな場所がなくなってはいけない。学校は社会的存在である。

だからこそ、永続が基本であり、財務・財政の健全化は重要課題なのです。

 

支出(経費)を上回る収入を大学全体で調達するための予算を策定し、執行を管理しなければなりません。部局単位で収支は均衡しないので、内部の配分計算(収入の帰属や本部・情報基盤経費の分担など)が求められます。それぞれの部局が収入を増やし、経費を抑制する責任と誘因を制度化し、努力を還元する仕組みが大学全体にとって有効です。

 

書かれていることはごく当たり前のことです。

が、以前は私学でもこの考え方はなかなか受け入れられませんでした。

「良い教育にはお金がかかるのだから、経費をコントロールするなどもってのほか」

といった考えがむしろ本流だった、と言えるかもしれません。

私もこの業界に15年間関わる中で、

ずいぶんとその空気は変わってきたことを感じます。

 

次のステージは「だからどうするのか」ということに解を見つけること、

ではないでしょうか。

支出が収入の範囲内にとどまるようにする、

それを中長期的に実現するという目的を掲げたうえで、

それをどう実現するのか、各校園なりの解を見つけるのが

ここからの私学経営ではないか、と思うのです。

 

少子化が進み、社会的なコストアップも進む中で、

収支バランスを保ち、財政を健全化することは簡単ではありません。

収支構造をしっかりと見つめ、何にどう手を付けるのか、

それを具体的に考えていくことが求められます。

 

教学には苦手意識もおありのケースが多い、財務の話題ですが、

今こそ全学的に議論を深めていただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp