寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「資源」をマネジメントする

先日来、紹介させていただいている日経新聞の連載、

「ポスト・コロナ時代の大学経営」。

今日は学校経営においても重要な、経営資源の話です。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

連載の中でも、今回の記事は大学以外にはやや縁遠い内容を含んでおりますが、

他校種でも考え方は参考になるはずです。

 

大学は、その使命達成に向けた教育研究や社会貢献の活動目標を、戦略計画としてまとめます。例えば既存の学部を再編成し、新領域で国際的な教育研究拠点を目指すといった組織目標をたてたとします。その実現には、活動の基盤となる教職員スタッフや施設、資金、学術情報の確保や整備が必要となります。

しかし、戦略計画は企画部門を中心に策定するため、裏付けとなる予算や人材獲得方策の合理的検討は後回しになりがちです。

 

学校では教学と経営が機能的、あるいは感情的に分離されていることが多く、

さらに経営部門の中でも計画と予算と人事がバラバラに動いていることも

決して少なくありません。

戦略や計画を作っても実現できないという原因は、

実はこのような点にあるといっても過言ではないのです。

 

我が国の国公立大学では、基本的な施設整備は国や自治体が意思決定主体です。このため中期計画で詳細な内容を記載することは困難で、有力大学の中期計画でも財源が明示されていない例が見られます。学術面の活動計画と、ヒト・モノ・カネおよび情報という資源の調達・管理計画の連動が曖昧なまま、という例が多いのです。

 

上の文章をお読みになって、私学との違いを感じることができますでしょうか。

私学は各校園が経営機能をすべて担っていますから、

その分大変ではありますが、同時に自由度も高いといえます。

ですから、私学の中期計画には、ヒト・モノ・カネといった

経営資源を存分に絡めながら、実現に至るストーリーを作ることが肝要であり、

私学であればそれは十分に可能なはずなのです。

 

学校が永続するために必要なのが経営計画、事業計画。

常にそれを更新し続けながら、よりよい学校経営を進めていただければと思います。

最後に今回の記事の末尾に掲げられた文章をご紹介しておきます。

 

すべての資源の価値は時間や環境とともに変化するので、調達と管理・更新によって水準を維持する必要があります。スター教員を採用しても、後継者の育成・採用のほか、状況に応じて活動分野の重点を移す検討をしておかねばなりません。大学の本務活動と資源を結び付けて考え、実行する仕組み(教学と経営の協議調整)が重要です。

 

(文責:吉田)

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