寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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文化知る「校内居場所カフェ」

学校で、カフェ。

そんなケースが増えているようです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

学校内でカフェを定期的に開催する高校が増えている。教職員ではなく外部のボランティアが運営し、飲み物を手渡したり、一緒にゲームをしたりする中で生徒と緩やかに関係を築く。「校内居場所カフェ」と呼ばれる取り組みだ。

 

この居場所カフェが始まったのは2012年。大阪の府立高校が最初だったようです。

これが現在では全国50校ほどに広がっていて、

記事には神奈川県立大和東高で毎週金曜の放課後に開催される

「ボーダーカフェ」が紹介されています。

生徒はジュースやお菓子を受け取ると、おしゃべりをしたりボードゲームを囲んだりして過ごす。100人前後の利用があることも普通で午後5時の終了までいる生徒も多い。通ううちにボランティアとなじみ、自然に会話が生まれる。

「ボーダー」には自宅でも学校でもない境界の居場所という意味がある。3月まで校長を務めた熊野宏之・県立横浜栄高校長(59)は「生徒の表情がリラックスしている。安心できる空間なのだろう」と話す。コロナ禍による休校が終わればカフェも再開の予定だ。

 

生きづらさを抱える子どもたちが少なからずいることは

どの学校でもきっとそうでしょう。

今回の記事に掲載されているのは公立校の例ですが、

私学でもそのようなケースがあることは私自身、耳にしています。

 

この居場所カフェは、生徒が抱える悩みや問題をつかむ糸口になります。

居場所カフェはボランティアさんが運営しているようですが、

そういった第三者には教員と異なる親しみやすさがあるようで、

生徒からは「友達に似た感覚でしゃべってくれるから話しやすい」

といった声が聞かれる、と記事には書かれています。

子ども達には勉強のこと、就職のこと、

さらには家庭内の問題があることもあって、

気持ちを立て直すのが容易ではないことも多そうです。

打ち明けられた悩みなどは学校と共有し、支援につなぐことで、

中退を防ぐ効果が上がっているようです。

私学でも中退率が上がってきている学校が増えていると思うのですが、

そこに一役買えるのがこのようなしくみなのかもしれませんね。

 

生徒の人間関係が広がるメリットも大きい。個性も人生経験も多様なボランティアの中から、生徒は将来のモデルを見つけられる。「様々な仕事を持つボランティアと接する中でコミュニケーション力が身につき、職業観も学べる可能性がある」と熊野校長。

興味深いのは、石井さんがカフェの目的を「生徒たちが持つ文化のフックを増やすこと」と語っている点だ。社会で生きていくにはお金以上に知識や文化的素養が要る。それらは人とつながるすべともなり、社会から滑り落ちないためのフックの役割を果たす。かつては家庭や地域の中で多くの若者が手にできたが、今は必ずしもそうではない。

 

 

ひょっとすると、本当の教育活動がこういった場にこそあるのかもしれません。

居場所カフェ、私学でも検討の余地があるのではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

 

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