代表の青野氏が在宅勤務のポイントとして挙げたのが
「嘘がないこと」でした。
さてそのこころは。日経新聞より。
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サイボウズの人事制度のしくみをご存知でしょうか。
ご存知の方なら不思議はないのですが、
昨今のコロナウィルス対策が業務に支障をきたさないであろう、
代表格的存在がサイボウズだと思います。
普段から各自のスケジュールをグループウエアで公開。
顧客やタスクリストを共有。
社内でコミュニケーション不足にならない仕組みがあるので、
「横の席か画面の向こうか」という差しかないのです。
そして、在宅勤務が機能するポイントについて、青野氏はこうおっしゃっています。
「普段から誰が何の仕事をしているか可視化することだ。サイボウズの出社率は普段から7割程度。ある曜日だけ在宅勤務といった社員も多い。多様な働き方を受け入れると、連携しなければそれぞれの仕事は成り立たない。そうなると情報共有が徹底される。困っていれば発信できるチームワークは必ず必要。あとは社員が嘘をつかなくていい組織風土づくりだ」
嘘をつかなくていい、とはどういうことでしょうか。
在宅勤務になると、社員が本当に働いているのか疑問だ、
という声を聞くことがありますよね。
この原因について、青野氏曰く。
「仕事をしていないのにしているという嘘をつくのはなぜかと考えると、自分を守るためだ。組織に失敗を詰め、人事評価でマイナスにする文化があると、人は嘘をつく」
「嘘をつかない、隠さないという組織風土にしていくのが大事だ。『アホはいいけど、嘘はダメ』がスローガン。例えば、遅刻した理由が前日に飲み過ぎて寝坊したならアホだけど、仕方ないねで済む。体調が悪いなど嘘で隠すのはダメだと徹底している。米国のIT企業で在宅勤務を取りやめる動きがあったが、こうした風土がなく生産性が上がらないといった問題が起きたのではないかと思う。インフラ整備は必要だが、それだけではうまくいかない」
なるほど、嘘をつくスタッフが悪い、という考え方ではなく、
嘘をつかせる組織のほうが悪い、というふうに考えるのですね。
確かに、嘘をつかざるを得ない組織というのは
健全ではないと言えるかもしれません。
さて、貴校園はいかがでしょうか。
嘘が蔓延してはいませんか。この機会にふりかえってみたいところです。
組織のルールが性悪説に基づいていると、コストは上がりますよね。
「2010年に在宅勤務を導入した当初は怖々だった。申請が必要で、仕事の成果を報告するよう求めていた。だが情報共有して嘘をつかないという風土があれば、これらは不要で無駄なマネジメントコストがかかるだけだと分かり、やめた」
嘘のない組織づくりというのは簡単ではないでしょう。
しかし、それにチャレンジする意義は大きいように思います。
(文責:吉田)