寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「解雇の必要性」は容認も

コロナウィルスの蔓延防止のため、

学校や幼稚園でも業務が滞っていることと思います。

場合によっては人員に余剰感が出ているケースもあるかもしれません。

本日は雇用継続に関する留意点のひとつをご紹介します。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

おそらく学校関係では時短や出勤停止等の実施はあったとしても、

雇用そのものの調整を行う例は少ないだろう、と推測しています。

しかし、世間の企業の中には甚大な影響を受けている業界もあります。

特に非正規社員の雇い止めが現実問題になりつつある今、

果たして「ウイルスを理由とした雇い止め」はできるのでしょうか。

 

解雇、というのは非常にハードルが高い行為であることは

すでに皆様もご存知でしょう。

図で示すと、こんなふうに要件の確認がなされるようです。

 

 

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記事にはこう書かれています。

 

ウイルスによる雇い止めは整理解雇なので、合理性判断の基準は使用者が「整理解雇4要素」を満たすか否かだ(1)解雇の必要性(2)解雇回避の努力は(3)解雇者の人選は妥当か(4)労働組合などと十分協議したか――で、基本的に全て満たせば雇い止め有効だ。

これらすべてを満たすことはそう簡単ではないため、

雇い止めには慎重な判断が必要になると思われます。

 

一方で、解雇にはいわゆる雇い止め以外に、「期間中解雇」というものもあります。

雇い止めは契約の更新を行わないことであるのに対し、

期間中解雇はその名の通り、契約が続いている中でその契約を打ち切るもの。

となると、よりいっそう要件が厳しくなるのはお分かりいただけるでしょう。

記事に登場されている専門家も、

「裁判所がやむを得ない理由を認める基準は整理解雇より厳しい」

と説明しておられます。

 

さて、ここで本日のブログタイトルの登場です。

ウイルス感染が拡大し経済活動がまひ状態になったとき、

整理解雇4要素の(1)「解雇の必要性」、

あるいは期間中解雇の「やむを得ない理由」にあたるか、について、専門家は

「その場合は該当するだろう」「裁判官もウイルス拡大を無視できない」

とみておられます。要件の一つは満たされる、という見方ですね。

 

とはいえ、それでも他の要件があります。

企業は4要素の(2)以下も満たすことを求められる。(2)の解雇回避義務を満たすには通常なら事前の希望退職募集などが必要だ。今回は厚生労働省雇用調整助成金の支給要件を緩めるなど各種支援策がある。使わないと義務を果たしたことにならない可能性がある。

 

学校の休業が続いているケースにおいては、

教職員の雇用や労務管理に苦慮されているケースもあるかもしれません。

本日の記事もご参考にしていただき、

適切な方策で雇用の継続を図っていただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp