幼児教育が人生に与える影響について、
非常に興味深い記事を見つけました。
幼稚園関係者はすでにご存じのことかもしれませんが、
このたびのブログで採り上げたいと思います。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
この記事で紹介されているのは、アメリカで1960年代に実施された
「ペリー幼児教育プロジェクト」。
貧困層に属するアフリカ系米国人家庭の子どもたちを対象に、
施設での教育を提供したうえで、週1回は教員が家庭訪問。
教員の質は極めて高く、みな幼児教育の資格も持っていたそうです。
その後、この幼児教育を受けた子を受けなかった子と比較したところ、
5歳時点において、学力テストで測れる能力である「認知能力」はもちろん、
非認知能力の一つである「物事をやり抜く力」が大きく向上しました。
ところが残念なことに、知能に対する効果は
8歳になるとほぼ消えてしまったとのこと。
この調査に限らず、
「幼児教育プログラム直後に知能で大きな効果が見られても
小学校入学後2~3年でその効果が消える」
というパターンは多く報告されているそうです。
しかし、幼児教育に長期的な効果がないと断じるのは早計です、
と筆者は言います。
追跡調査の結果、ペリープロジェクトは高校卒業率を高め、40歳時点での就業率や所得を上昇させました。さらに福祉利用率を下げ、逮捕回数も減るなど、様々な成果を上げたことが明らかになりました。
知能に対する効果は数年で消えてしまうのに、どうして40歳時点での社会生活に影響を及ぼしうるのでしょうか。これは幼児教育の結果、攻撃性や多動性など、周囲の人々との間であつれきを生じさせる問題行動が減ったためと考えられています。非認知能力の改善が長期にわたり持続し、子どもたちの人生を大きく変えたわけです。プロジェクトの追跡調査は今も続いています。
なるほど、人生にとって幼児教育が重要なものであることがよく分かります。
幼稚園、保育園で行われている教育、保育は
学校以上にいろいろな大変さを伴いながら展開されています。
教職員の皆様には本当に頭が下がります。
そのご苦労が子供たちの将来に大きなプレゼントをもたらすことを信じて、
モチベーションを高めていただければと願う次第です。
(文責:吉田)