国内の賃金水準はこの20年で1割くらい下がっている、
という報道がありました。
先月の日経新聞より。
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日本の賃金が世界で大きく取り残されている。ここ数年は一律のベースアップが復活しているとはいえ、過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナス。国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたため、欧米に劣後した。低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない。「貧者のサイクル」を抜け出せるか。
諸外国と比較したのがこのグラフ。
働き手1人・1時間当たり金額について1997年と2017年を比較したものですが、
軒並み5割以上の伸び率を示している他国に比べ、
日本の伸び悩みは際立っています。
ここ数年、最低賃金が大きく上昇してきてはいますが、
賃金全体の上昇には至っていないようです。なぜでしょうか。
その背景には労働生産性(付加価値)の低迷がある。1人の働き手による1時間当たりの成果を示す生産性の上昇が賃上げには必要とされる。
長時間労働がはびこった日本はこの半世紀、先進7カ国のなかで最下位。OECDによると17年は47.5ドルと前年から1%ほど増えたが、加盟国36カ国で20位という低位置は変わらない。米国(72ドル)、ドイツ(69ドル)に水をあけられている。
なぜ生産性が上がらないのか。逆説的だが、日本の企業が賃上げに慎重な姿勢を続けてきたことが生産性の低迷を招いたとの見方がある。
なるほど、低賃金での雇用を維持しようとするあまり、
それに見合う業務が人の手に残ってしまい、
効率化を無意識に制限してしまう…
このたびの記事に掲載された某氏の主張はやや極端かもしれませんが、
一定の気づきは得られます。
生産性向上が先か、それとも賃上げが先か。
私学にとっても大きな課題でしょう。
現状、学校業界においてはそのほとんどが
年齢給による経年上昇がルール化されていますが、
今後に向けこれを維持できるとは考えにくい中、
賃金制度そのものについて検討するのが先、かもしれませんね。
(文責:吉田)