私学にとって立地は経営上、重要な要素の一つです。
なぜなら、立地によって通学圏、いわゆる商圏が動くからです。
その商圏の「偏在」が進んでいる、というニュースが流れました。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
総務省が31日に発表した2018年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、東京都内への転入超過数(外国人を含む)は17年比9%増の7万9844人だった。「職住近接」志向がより高まっており、都心部への人口流入が依然として続いている。人口増に対応するため、教育や交通といった社会インフラの整備が引き続き行政の大きな課題となる。
実はこの記事、首都圏で販売される日経新聞に掲載されている記事です。
大阪在住の私は日経電子版で確認したのですが、
「東京都内での偏在」が記事の中心になっています。
東京23区の転入超過数は6万909人で、新宿区を除くすべての区で転入超だった。最も多かったのは世田谷区で、6861人。大田区、品川区が続いた。多摩地域の転入超過数トップは2165人の小平市だった。
転入者はファミリー層が中心で、各自治体にとっては公立学校での受け入れ確保が急務になる。世田谷区は18年、公立小へ通う児童が14年に比べ13%増の約3万7000人となった。区内でクラス数を5年間で50以上増やした。
人口減社会となった日本国内において、人口増が実現している地域は
非常に限られています。
そして、そんな東京都内でも、都心により近い地域に
人が集まってきていることが分かります。
職場の近くに住むことで、通勤というひとつの大仕事を減らせるわけで、
これは自然な流れとも言えます。
ただ、人口が増える、あるいは減ることによって、
学校の経営計画は変更を余儀なくされます。
私学の収入のほとんどは在籍生徒数によって変化します。
通学圏の人口が減れば、それに応じて、あるいはそれ以上に
収入を減らすことがあります。
固定費の多い学校業界においては非常に重い課題となります。
一方で、人口の偏在は簡単には止められません。
東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)の18年の転入超過数は13万9868人で、17年に比べて11%増えた。三大都市圏では名古屋圏や大阪圏の転出超過が続いており、東京への一極集中の構図は変わっていない。
大都市圏も人口を減らす時代。
私学がどうやって永続するか、まさに経営計画が問われていると言えます。
(文責:吉田)