学校のガバナンスについて、先日の日経新聞に提言がなされていました。
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ガバナンス、という言葉は最近よく耳にするカタカナ語のひとつ、
と言えるのではないでしょうか。
何となく分かるけど、説明しろと言われると難しい、
そんな言葉のように思います。
日本語では「統治」が訳語になりますが、
この機会にその意味をきっちり押さえておきましょう。
『ガバメント』とは対照的な統治として位置づけられる。ガバメントは政府が上の立場から行なう、法的拘束力のある統治システムである。一方、ガバナンスは組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行なう、意思決定、合意形成のシステムである。
(出典:ASCII.jpデジタル用語辞典)
組織自らが行う統治であり、上から押し付けられたものとは異なる、
という点を理解しておくことが重要ですね。
個人的な感想ではありますが、私学に対する規制はここのところ、
緩和されるどころかどんどん締め付けられている、
というふうに感じます。
それは時の政権の考え方によるところももちろん否定できませんが、
それよりもむしろ、杜撰な経営の実例が多く出現したことによる、
と考えるのが自然でしょう。
ついては、私学経営におけるガバナンスの重要性は
非常に高まっている、と思うのですがいかがでしょうか。
今回の記事の中にも、こんな記述があります。
小委員会が示した改革の方向性は(1)監事の牽(けん)制機能の強化(2)役員等の責任の明確化(3)情報公開の充実(4)破綻処理手続き――である。そのために、理事・監事には当事者意識を徹底させ、新たに善管注意義務と第三者損害賠償責任を負わせることや、理事の不正防止のために監事の権限を強化すること、中長期計画策定の義務化などが盛り込まれた。
重要なのは、ガバナンスコードに関する提言である。中長期計画の策定などの経営力強化策や理事・監事機能の強化策、評議員会機能の実質化、経営・教育情報の公開といった掲載項目を大学団体が整理、定型化して、ガバナンスコードとして加盟大学に示し、実行を促す。自主・自律を基本に、学校法人運営の諸課題は自主的・主体的解決に委ね、行政の指導や監督は最小限にすべきだとの精神が貫かれた。
周囲からとやかく言われずとも、自発的に健全経営を実現できるよう、
最大限努力するのが本来の私学のはず。
今回制定された私大版ガバナンスコードが機能することを願ってやみません。
(文責:吉田)