人事院は、国家公務員採用総合職試験等に合格して採用された新人職員に対して、
志望動機等を把握し今後の人材確保施策へ反映させる観点から、
第52回国家公務員合同初任研修(平成30年4月4日~6日)を受講した
職員749人を対象にアンケート調査を実施しました(有効回答は746人(回収率99.6%))。
調査結果のポイントを引用します。
○志望動機は「公共のために仕事ができる」 が7割
志望動機は「公共のために仕事ができる」が7割、「仕事にやりがいがある」が6割、「スケールの大きい仕事ができる」が4割 [問1]
○定年まで公務員を続けたい者は約5割
定年まで公務員を続けたい者は約5割(前年度比1割減)。いつかは転職を考えたい者は全体で3割 [問3]
○「事務次官級に昇進したい」 が2割
将来どこまで昇進したいと思うかについて、事務次官級まで昇進したいと回答した者が2割。本府省の局次長・審議官級以上は約6割 [問4]
○上司に求められるのは「コミュニケーション力」
どのようなタイプの上司の下で仕事がしたいかについては、「部下と積極的にコミュニケーションを取る」が5割。「指示が明確である」「言動に一貫性がある(芯がぶれない)」も4割。一方、「厳しく育ててくれる」は約1割[問6]
となっています。
「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート調査の結果」より
アンケート調査からは、今の若者は「安定した生活」よりも「公共のため」や「やりがい」を重要視していることが分かります。
また、経年比較すると、ここ1,2年においては民間企業の内定が増えているのかよく分かります。有効求人倍率が示す通りの結果となっているのではないでしょうか。
個人的に興味を引かれた質問が「問3 国家公務員としていつまで働きたいと思いますか。」です。
「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート調査の結果」より
約半数の46.2%の職員が定年まで働きたいと回答しているものの、現時点で転職を考えている職員が3割もいることに驚きました。
(働き始めてすぐのアンケートですが、素直に答えているんですね。)
これまでも散々言われてきたことではありますが、「終身雇用」や「年功序列」といった価値観は持ち合わせていない世代であることが見て取れます。
学校経営においても人材確保は難しい問題です。長期の安定よりもやりがいを求める若者をどのようにして取り込むか、生徒・保護者に対するPRと同様、先生向けのPRが重要となってくるのではないでしょうか。
(文責:長森)