今国会の最重要課題とされる「働き方改革関連法案」が6月4日に参議院本会議で審議入りしましたね。
高度プロフェッショナル制度や、残業時間の罰則付き上限規制、
正規・非正規労働者の不合理な待遇差を禁じる同一労働同一賃金の導入などさまざまな内容が含まれていますね。
6月20日まで国会は会期延長され、法案成立の公算が高いようです。
学校現場においては今回の規制対象外ですが、同一労働同一賃金や残業時間の上限規制については、いずれこの罰則が適用される可能性があるのではないでしょうか。
ある日突然対応しようとしてもこれらの諸問題に対応することは難しいでしょう。
今国会に提出されている「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の概要を抜粋します。
特に注目されることとして、
①労働時間の見直し、特に時間外労働の上限規制導入
②労働時間の状況の把握の実効性確保
③フレックスタイム制の見直し
④労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
などが挙げられるのではないでしょうか。
同一労働同一賃金ガイドラインが平成28年12月に公表されていますので、
問題となる例をおさらいしてみましょう。
①基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合
<問題となる例>
・基本給について労働者の職業経験・能力に応じて支給しているE社において、無期雇用フルタイム労働者であるXが有期雇用労働者であるYに比べて多くの職業経験を有することを理由として、Xに対して、Yよりも多額の支給をしているが、Xのこれまでの職業経験はXの現在の業務に関連性を持たない。
②基本給について、労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合
<問題となる例>
・基本給の一部について労働者の業績・成果に応じて支給しているC社において、無期雇用フルタイム労働者が販売目標を達成した場合に行っている支給を、パートタイム労働者であるXが無期雇用フルタイム労働者の販売目標に届かない場合には行っていない。
③基本給について、労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合
<問題となる例>
・基本給について労働者の勤続年数に応じて支給しているB社において、有期雇用労働者であるXに対し、勤続年数について当初の雇用契約開始時から通算せず、その時点の雇用契約の期間のみの評価により支給している。
基本給に関する事例だけでも3パターンあります。(実際はもっと事例があると思いますが…)
同一労働同一賃金ガイドラインには手当や福利厚生についても細かく事例が紹介されておりますので、お時間がある際に一度お目通しいただければと思います。
法律が適用されてからの対応では間に合わないかもしれませんので、今から制度設計に取り組んでみてはいかがでしょう。
(文責:長森)