少し前になりますが、通信制高校における不祥事がありました。
履修内容が不十分であるにもかかわらず、
単位認定や卒業認定が行われていた学校の存在が大きく報道されましたよね。
少子化の中で生き残りを賭ける私学の中には、
通信制に活路を見出すケースも今後増えてくるかもしれません。
という背景を踏まえてでしょうか、文部科学省では
を改訂しようとしています。
文科省HPにはそのワーキンググループの配布資料がアップされていました。
高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン検討ワーキンググループ(第1回) 配付資料:文部科学省
改訂案の文面を見ると、改訂される箇所は
「添削指導及びその評価」
「面接指導及びその評価」
がほとんどです。
つまり、これまでよりも厳格に添削指導や面接指導を実施し、
その評価も充実したものとしなさいね、
というのが改訂の趣旨ということになるのでしょう。
例えば、添削指導については以下の内容が追加されることとなります。
⑤ 添削指導に当たっては、正誤のみの記載ではなく、必要な解説等を付すこと添削指導の実施に当たっては、年度末や試験前にまとめて添削課題を提出させたり、学期当初に全回数分の添削課題をまとめて提出することを可能としたりするような運用は行わないこと。また、添削指導や面接指導が完了する前に、当該学期の全ての学習内容を対象とした学期末の試験を実施したりするようなことがないよう、年間指導計画に基づき、計画的に実施すること
⑥添削指導に当たっては、正誤のみの指摘はもちろん、解答に対する正答のみの記載や一律の解説の記載だけでは不十分、不適切であり、各生徒の誤答の内容等を踏まえた解説を記載するなど、生徒一人一人の学習の状況に応じた解説や自学自習を進めていく上でのアドバイス等を記載すること
⑦ 生徒から添削指導等についての質問を受け付け、速やかに回答する仕組みを整えること
こうやって見てみると今回の改訂は、
形式を担保することによって品質を確保しようとしているように見えます。
本来は品質そのものを評価できればいいのですが、
教育活動においてはその成果を測定することが容易ではありませんから、
このような手法にならざるを得ないのかもしれませんね。
通信制に限らず、教育内容を充実させることは各校にとっての心臓部、
と言ってもいいでしょう。
しかしながら、その改善や改革は第三者にはなかなか伝わらないものです。
伝わるようにするために「形式を整える」こともまた、
大切な着眼点であると言っていいでしょう。
今回の改訂案には新たな項目として
「積極的な情報公開の推進」
も追加されています。
情報をいかに伝えていくか。
私学経営において避けては通れない課題です。
(文責:吉田)