厚生労働省が平成28年人口動態統計月報年計(概数)を発表しました。少子化に歯止めがかかっていない状況が鮮明になっています。
出生数について以下のように記載されています。
平成 28 年の出生数は 97 万 6979 人で、前年の 100 万 5677 人より 2 万 8698 人減少し、出生率(人口千対)は 7.8 と前年の 8.0 より低下している。
出生数の年次推移をみると、昭和 24 年の 269 万 6638 人をピークに、昭和 50 年以降は減少と増加を繰り返しながら減少傾向が続いており、平成 27 年は 5 年ぶりに増加したが、平成 28年は減少している。
母の年齢(5歳階級)別では、母の年齢が 39 歳以下の階級では前年より減少し、出生順位別では、すべての出生順位で減少している。
母の年齢が 40 歳以上の出生では、出生数は約5万5千人であり、うち第1子は約2万1千人で、40 歳以上の出生に占める第1子の割合は 38.5%となっている。
第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあり、平成 28 年は 30.7 歳となっている。
出生数は過去最低を記録し、100万人を下回ったのも初めてとのことです。また、合計特殊出生率も前年の1.45から1.44と0.01ポイント低下しています。この状況が劇的に改善される兆しもなく、私学にとってはさらに厳しい状況を迎えることになりそうです。
さて、近畿の状況はどのようになっているのでしょうか。近畿2府4県の合計特殊出生率は以下のようになっています。
- 滋賀県 :1.56(▲0.05)
- 京都府 :1.34(▲0.01)
- 大阪府 :1.37(▲0.02)
- 兵庫県 :1.49( 0.01)
- 奈良県 :1.36(▲0.02)
- 和歌山県:1.50(▲0.04)
兵庫県以外はどこも前年を下回っており、大阪、京都、奈良は全国平均を下回る結果となっています。
安心して子育てができないと感じたり、家計面で将来への不安を感じる人が多いということでしょうか。他にも、晩婚化や生涯未婚率の上昇など、少子化の要因と考えられることはたくさんあり非常に複雑な問題です。残念ながら、この状況が好転することは考えにくいですね・・・。
先にも述べましたが、少子化が私学の経営に大きなダメージを与えることは言うまでもありません。
現在の15歳の人口は115万人程度です。平成28年の出生数が97万人ですので、単純に15年後に15歳を迎える人口は現在と比較すると約18万人程度も減少してしまうことになります。もちろん都道府県や市区町村によって減少幅に偏りはありますが、インパクトが非常に大きい事に変わりはありません。
自校のマーケット内の子どもの人口の推移を鑑み、最適な学校規模を見極め、そこに向けた運営体制の計画的な整備がこれからの学校経営上での大きなポイントになりそうですね。
(文責:木村)