久しぶりに経済ニュース、いってみましょう。
日本経済新聞より。
夏のボーナス2.75%減 円高が製造業に逆風 :日本経済新聞
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まずは記事冒頭にある、内容のまとめを読んでおきましょう。
日本経済新聞社が21日まとめた賃金動向調査で、2017年夏のボーナス(9日時点、中間集計)は支給額が5年ぶりに減少した。全産業平均の支給額は16年夏比2.75%減の83万9560円だった。企業業績の改善などを受け、支給額はリーマン・ショック前の水準を確保。ただ円高の逆風で業績が振るわない自動車など製造業が支給額を減らしたことが響き、マイナスに転じた。
キーワードを拾うと
・5年ぶりの減少
・平均額は約84万円
・製造業で支給額減
といったところでしょうか。
ここで、統計資料を読むときの留意点を押さえておきましょう。
賃金の記事は特にこれに注意が必要です。
今回の調査のしかたについて、以下の通り掲載がありました。
■調査の方法
日経リサーチの協力を得てアンケート方式で実施した。調査対象は上場企業と日本経済新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業の合計2094社。
今回の集計は5月9日時点で、回答企業数は727社。賃上げ率、夏のボーナスはそのうち集計可能な企業のみで算出。平均賃上げ額・率は組合員数を考慮した加重平均で算定した。
学校関係者さんには特にご留意いただきたいのですが、
上記調査対象はあくまでも「上場企業+有力非上場企業」です。
従業員規模のかなり大きな会社が対象、ということですね。
私自身の感覚ではありますが、従業員数100名程度の企業となると、
夏のみで84万円というのは非常に高い水準だと感じます。
少々古い記事ですが、こちらも見ておきましょうか。
基本給から分かるボーナスの平均額【大企業・中小企業編】 | キャリアパーク[ビジネス]
中小企業のボーナス平均は基本給の1ヶ月!
中小企業と一口にいっても規模もさまざまですが、中小企業のボーナスが平均は基本給の1ヶ月程のようです。
また、中小企業の40%以上がボーナスの支払いがないというデータもあります。日本の企業全体の99.7%は中小企業ですので、多くの人がボーナスをもらっていないことになります。なお、中小企業にはベンチャー企業や少数精鋭で仕事をする企業もあります。そういうところは実力重視で、中小企業といえでも、実力がある社員や高い成績を収めた社員には基本給の数ヶ月分の賞与を出すところもあります。
いかがでしょうか。
こちらの記事の方が、私自身の感覚にも近いものがあります。
そもそも、賞与というのは業績に応じて支給されるのが原則的取扱いですから、
業績が上がればそれに応じて増額され、逆であればそれなりに、
というのが本来の運用です。
学校法人においてはこれまでの経緯も踏まえるとなかなかそうもいきませんが、
少なくともこの原則の確認は労使間において早めにしておくべきではないでしょうか。
生活保障給たる月例給に影響が及ぶような賃金改定は極力避けるべき、
という考え方からしても、賞与の性質は考慮される必要がある、
と私は思っています。
夏のボーナスに関しては今後もいろいろなデータが公表になると思いますので、
そちらもぜひご確認くださいね。
(文責:吉田)