寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

残業時間に関するアンケート調査の結果より

正社員による長時間労働などに代表される日本の戦後雇用慣行を見直すべく、政府主導で「働き方改革」が進められており、先日、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画がまとまりました。

 

長い年月をかけて日本中に染み付いた労働慣行の見直しには相当な労力や時間を要するでしょうが、是正に向けて着実に計画を実行させ、是非とも大きな成果を出していただきたいものです。

 

さて、昨今何かと話題の長時間労働についてですが、現実はやはり厳しい状況のようです。

 

engineer.fabcross.jp

 

「fabcross for エンジニア」が実施した、残業に関するアンケート調査の結果によると、業種別の1カ月当たりの平均残業時間が最も多かったのは「教育、学習支援業」で29.5時間とのことです。

「教育、学習支援業」ですので、幼稚園や学校のみならず学習塾等も含まれているものと考えられますが、幼稚園や学校の教員の長時間労働については様々な形で報道されることも多く、この結果については「やっぱりか・・・」というのが正直なところです。

 

一般企業と比較すると学校はやや閉鎖的な空間ではないかと感じます。学校を批判しているわけではなく、組織の特性として仕方のない面が多分にあるでしょう。ただ、閉鎖的な空間であるがゆえに、学校内の常識と一般社会の常識に乖離が生じてしまうおそれがあり、その乖離に誰も気が付かないままに時間が過ぎて行ってしまうことも考えられます。

 

だからこそ、幼稚園や学校の教職員の方々には、学校外の社会の様々な活動を実際に積極的に体感することで視野や見聞を常に広めていただくと同時に、そこで得たものを授業等を通じて生徒達に還元していただければありがたいなと感じます。

 

にも関わらず、教員の方々が長時間労働を強いられることによって一日の大半を学校内で過ごすことになると、そのような機会が奪われてしまい、実質的に外部社会と遮断されてしまうわけですから、結果的に教育の質の向上を妨げることになってしまうのではないかと思います。

 

教員の方々の過度の負担を軽減することは当たり前ですが、「学校の常識」に流されて日々を過ごしてしまうことがないようにするためにも、長時間労働の是正については本気で取り組んでいただきたいものです。

 

 

(文責:木村)

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