最近は〇〇ハラスメントという言葉を聞かない日がないくらい、ハラスメントという言葉が一般的に使われるようになりましたね。
ハラスメントとは直訳で「人を困らせること」という意味です。もちろんそのようなことをしてはいけませんが、様々なハラスメントが実際にあちらこちらで巻き起こっていることを考えると、それだけ他人を困らせる人が多いということでしょうか。
職場でのハラスメントの代表格(?)と言えばパワハラだと私は勝手に思っていますが、本日は企業のパワハラに関する調査結果のご紹介です。
この調査は、エン・ジャパン株式会社が企業の人事担当者を対象に「パワハラ」についてアンケート調査を行ない、203社から回答を得た結果です。
まず、社内のパワハラを把握している企業はどのくらいあるのでしょうか。驚愕の結果は以下のとおりです。
- 把握している 7%
- だいたい把握している 38%
- あまり把握していない 32%
- 把握していない 12%
- わからない 11%
なんとなんと、45%の企業がパワハラを把握(認識)しているとのことでした。ただし、これはあくまで把握している企業の割合ですので、実際にはそれ以上の企業でパワハラが起こっている可能性があります。非常に恐ろしい結果です。
次に、実際にどのようなパワハラが行われているのかの結果は以下のとおりです。
- 精神的な攻撃 76%
- 過大な要求 24%
- 人間関係からの切り離し 19%
- プライバシーの侵害 11%
- 身体的な攻撃 8%
圧倒的に「精神的な攻撃」が多くなっています。パワハラをしている側の人間はそのような意図はないのかも知れませんが、受け取る側がそのように感じていれば立派なパワハラです。
では、パワハラが起こってることで職場にどのような影響を与えたのでしょうか。結果は以下のとおりです。
- 職場の雰囲気が悪化した 62%
- 退職者が出た 37%
- メンタル不調の社員が増えた 30%
- 職場の生産性が悪化した 20%
- 休職者が出た 9%
どれも当たり前の結果ですね。このようなことで退職者や休職者を発生させてしまうことはあってはいけないことですし、そのような職場には社員は間違いなく定着しないでしょう。そして何より、ネットやSNSで情報が不特定多数の人に即時に拡散されるような時代ですから、企業イメージの低下も免れないどころか、ステークホルダーからの信頼が失墜してしまうおそれもあり、企業(組織)の存続に大きく影響するレベルのことだと思います。
最後に、パワハラが起きる部署の特徴として以下が挙げられています。
- 上司と部下のコミュニケーションが少ない 37%
- 失敗が許されない(許容度が低い) 20%
- 他部署や外部との交流が少ない 19%
- 残業が多い 16%
- 休みが取り辛い 15%
上司と部下のコミュニケーションが少ないことが最も割合が高くなっています。職場に限らずコミュニケーションの重要性は言うまでもありませんが、職場においてコミュニケーションが希薄な場合には、このような悲劇が起こる可能性が高まるということが言えると思います。
とはいえ、様々な考えや価値観を持った多くの人が集まる職場ですので、全ての人達と円滑にコミュニケーションをとることは難しいでしょう。特に、パワハラをする側であると思われる上司の立場になると、多くの部下と日常的にコミュニケーションをとることはなお難しいことです。
ただ、会話をすることだけがコミュニケーションではありません。笑顔で元気よく挨拶をしたり、気持ちよく返事をすることなどもコミュニケーションの一種ですし、そのようなことは誰もが簡単にできるはずです。特に、上司である立場の人から積極的にそのような行動をするだけでも職場の雰囲気は変わるのではないでしょうか。
職場の全員が気持ちよく働き、チームとして大きな成果を残すことができるよう、誰もが今すぐいつでも簡単にできることは確実に実行して、笑顔溢れる職場を作りたいですね。
(文責:木村)