学校の部活動の在り方に関しては当ブログで過去に何度も取り上げていますが、生徒への過度な負担の軽減や教員の方々の長時間労働の是正といった観点から、やはり早急に見直しを検討する必要があると思います。
これは、一般的な学校の部活動に限らず、全国大会の常連校と呼ばれるような学校の部活動も例外ではないと思います。
「平日は早朝から晩まで練習漬け、週末は練習試合。毎週その繰り返し。おまけに先輩は物凄く厳しくて・・・」などと、テレビでプロ野球選手OBが自身の高校時代の体験談をユーモアを交えながら語っていることがありますが、そんな強豪校の部活動は現在どのようになっているのでしょうか。
今回は、そんな強豪校の部活動の実態に関する記事をご紹介いたします。
記事では野球部の強豪校の事例が紹介されています。
昨秋の九州大会を制し、今春の甲子園に出場する福岡大大濠(福岡)野球部は、週1日のペースで原則、月曜日を休養日としている。
普段の全体練習は、福岡市西区の専用グラウンドで約2時間半。試合を行うことが多い日曜日の翌日に休み、体力の回復や気持ちの切り替えを図るのが狙いだ。過ごし方は、部員各自に任せている。
正捕手としてチームを引っ張る古賀悠斗選手(17)は「バットもボールも触らないことにしている。勉強の時間に充てることも多い。いったん野球から離れてリフレッシュすると、次の日からの練習に一段と身が入る」と効果を口にする。
同部の休養日は、最近始まったことではない。OBの八木啓伸監督(39)によると、自身が高校球児だった約20年前には、すでに設けられていたという。八木監督は「部員にとっては、体のケアや、勉強の計画が立てやすくなる。部の良い伝統として続けている」と説明する。
今春で3季連続の甲子園出場となる秀岳館(熊本)野球部にも、休養日がある。社会人の松下電器(現パナソニック)などで指揮を執った鍛治舍巧監督(65)は2014年、監督に就任。それまで約4時間だった1日の練習時間を2倍近くに延ばしたが、部員の集中力が続かず、故障者も相次いだ。
そのため、練習を全くしない完全休養日と、ボールを握らずに筋力トレーニングや素振りだけを行う「ノースロー」の日を、それぞれ週1日の割合で設定した。メリハリをつけたことで、部員のけがも減ったという。鍛治舍監督は「休養に加えて、食事も気を使うことで部員の体が大きくなり、バットのスイングなどが目に見えて速くなった」と振り返る。
ごくごく一部の事例ですが、休養日を積極的に取り入れている学校があり、それが心身のリフレッシュとなって、集中力や練習効率の向上につながっているようです。
また、いくら強豪校の部活動に所属しているとはいっても、部活のためだけに学校へ通っているわけではありませんので、休養日をしっかりと設けることで、勉強やその他の活動に時間を充てることができるのは非常に良いことだと思います。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の言葉のとおり、何事も「適度」が重要です。学校の部活動に関しては、部活動に関わる教員それぞれの「適度」ではなく、学校としての「適度」をしっかりと明示する必要があるのではないでしょうか。
(文責:木村)