寒い日が続きますが、お風邪など召されていませんでしょうか。
受験生にとってはもちろん、学校教職員の皆さんも大切な時期ですので、くれぐれもご自愛くださいますように。
とまあ、何をするにも元気が一番、です。
本日は子どもたちの健康状態に関する調査結果をご紹介します。
文部科学省HPより。
学校保健統計調査-平成28年度(速報)の結果の概要:文部科学省
マスコミの報道ですでに確認された方もいらっしゃるでしょうか。
昨年末に発表された内容です。
ざっと見ていきましょう。
公表されている資料を、私なりにまとめ直しておりますのでご留意ください。
1 発育状態
(1)身長
・男子:9・12・14・16歳で前年度よりわずかに高くなっている他はほぼ前年度と同じ
・女子:6・10・11歳で前年度よりわずかに高くなっており,8・13・16・17歳で前年度の同年齢よりわずかに低くなっている
・親の世代(昭和 61 年度)との比較:最も差がある年齢は,男子では 12 歳(2.5㎝差),女子では10歳(1.3㎝)でそれぞれ高くなっている
・経年変化:男,女共に平成6~13年度あたりにピークを迎え,その後おおむね横ばい傾向
・年間発育量:男子では11 歳時、女子では9歳時に最大の発育量。親の世代(昭和 61 年度)との比較では男女とも発育量が最大となる時期は親の世代より1歳早くなっている
昔に比べて身長高くなったよなあ、なんて言われていた私たちの世代。
私達と子供たちの世代には身長差はそれほどないようです。ほっ。(笑)
(2)体重
・体重は男子、女子共に身長とほぼ同じ傾向
・親の世代との比較では,最も差がある年齢は,男子では 12 歳で 1.8 ㎏,女子では 11 歳で 0.8 ㎏それぞれ重くなっている
・経年変化:男子、女子共に平成10~18年度あたりにピークを迎え,その後減少もしくは横ばい傾向
・年間発育量:男子では11 歳時、女子では10 歳時に最大の発育量。親の世代との比較では慎重同様、男女とも発育量が最大となる時期は親の世代より1歳早くなっている
体重もほぼ身長と同様の傾向です。
すらっとしたスタイルの子供たちが増えたように感じていたのですが、隣の芝生が青く見えていただけなのかもしれません。
と、私の感想をまとめてくれていたのが次の記述です。
(3)世代間比較(身長,体重)
子世代,親の世代(30 年前),祖父母世代(55 年前)を比較すると,身長・体重とも各世代間で増加していることがわかる。全体的には祖父母世代から親の世代が大きく増加している。親の世代と子世代の間でも増加しているが,祖父母世代と親の世代の間に比べると増加の割合は小さい。
(4)年間発育量の世代間比較(身長,体重)
男子,女子共に身長,体重のいずれも,現代に近い世代ほど早期に増加している。
さて、興味本位でこれらの情報をご覧いただくのもいいのですが、学校としては体格の変化や成長が著しい時期の子どもたちへの対応というのも重要です。
自分たちがこうだったから…という先入観をひとまず横において、現在の子どもたちに合った教育環境の整備を進めることが肝要なのではないでしょうか。
さて本調査には「健康状態」の調査も含まれています。
同じようにざっとだけ見ておきましょう。
2 健康状態
幼稚園・小学校:「むし歯」→「裸眼視力1.0未満の者」の順に多い
中学校・高等学校:「裸眼視力1.0未満の者」→「むし歯」の順に多い
○ 「むし歯(う歯)」
・「むし歯」の者の割合:幼35.64%,小48.89%,中37.49%,高49.19%
全ての学校段階で前年度より減少、中・高は過去最低
○ 「ぜん息」の者の割合:前年度比較では小・中・高ではわずかに減少、幼では増加
昭和 42 年度以降増加傾向にあったが,平成22~25年度にピークを迎えた後はおおむね減少傾向
○ 「裸眼視力」
・「裸眼視力1.0未満の者」の割合:幼27.94%,小31.46%,中54.63%,高65.98%
全学校段階で前年度より増加
・「裸眼視力0.3未満の者」の割合:幼0.85%,小8.62%,中26.68%,高37.54%
前年度より幼で減少,小・中・高で増加
・視力非矯正者のうち,「裸眼視力0.7未満の者」の割合:幼7.27%,小12.98%,中18.86%,高19.80%
全学校段階で前年度より増加
○ 「アトピー性皮膚炎」の者の割合:前年度比 幼・小・中で減少、高で増加
○ 「心電図異常」の割合:前年度比 各学校段階において増加
○ 「蛋白検出の者」の割合:前年度比 幼・小・中で減少、高で増加
○ 「耳疾患」の者の割合:前年度比 各学校段階において増加
○ 「鼻・副鼻腔疾患」の者の割合:前年度比 各学校段階において増加
○ 「口腔咽喉頭 疾患・異常」の者の割合:前年度比 幼・高で減少、小・中で増加
3 肥満傾向児及び痩身傾向児の出現率
・肥満傾向児の出現率:前年度と比較すると,男子では 13・15歳を除いた各年齢,女子では 13・16歳を除いた各年齢で増加。ただし平成 15 年度あたりからおおむね減少傾向
・痩身傾向児の出現率:前年度と比較すると,男子では6・8・12~17歳,女子では7・8・10・11歳で増加。平成 18 年度以降は,一部歳時でわずかな減少がみられるものの緩やかな増加傾向
いかがでしょうか。
学校においては「安全」の重要度が高いわけですが、同様にこの「健康」にも一定の配慮が必要です。
昨今、食育という教育ジャンルも開拓され、子どもたちが健やかに成長するためのひとつの着眼点がこの「健康」であるとも言えるでしょう。
御校の子どもたちの健康状態はいかがでしょうか。一度チェックしてみていただければと思います。
(文責:吉田)