学校においては、教員の方々の長時間労働が昨今大きな問題となっており、
抜本的な解消に向けた取り組みは待ったなしの状態です。
固定概念を捨ててでも、環境を改善することは急務と言えるでしょう。
慢性的な長時間労働に付きものなのが睡眠不足です。
当たり前ですが、睡眠不足には何一つ良いことはありません。
記事によると、睡眠不足による弊害として以下が挙げられています。
- 睡眠時間は認知機能の低下と関係しており、たとえば、睡眠時間が6~8時間だった人が、その後の5年ほどそれより睡眠時間の短い生活を続けると、認知機能の低下につながった。睡眠時間の変化の影響の大きさは4歳から7歳分の老化に匹敵していた、という研究結果もある。
- 短期的に見ても睡眠不足が脳に与えるダメージは大きく、睡眠不足がたまると、認知機能はほろ酔い状態と同じ程度になることを示唆する報告もあるそうだ。
- 睡眠中はノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互にくり返されているが、入眠直後から3時間までの間に最も深いノンレム睡眠が訪れ、脳の疲労をとることができるといわれている。その次に体の疲労がとれ、最後に心の疲労がとれる、というように、睡眠のフェーズごとにとれる疲労が違うのではないかという仮説もあり、睡眠時間が短くなると、その分、とれない疲労が残ることになる。
睡眠不足については、多くの方が実体験として経験されていると
思いますので、その弊害については今更かとも思いますが、
睡眠不足が続くと、ほろ酔いと同程度の状態になるというのは
非常に恐ろしいことですね。
本当にほろ酔いで授業を行うなんてことはないでしょうが、
判断能力や集中力が低下した状態で授業や仕事を行うということ
になりますので、ミスを起こしやすい状態であり、
効率も低下していることは間違いないでしょう。
学校の教職員の方々が上記のような睡眠不足による疲労状態になると、
授業の質が低下するおそれがあるだけでなく、
集中力が散漫になることで生徒や児童の様子をしっかりと
観察することができなくなるおそれもあるでしょうし、
何より疲れた姿を子ども達に見せてしまうこと自体が
良いことではありませんね。
「そんなこと言っても忙しいものはどうしようもない!」
という声も聞こえてきそうですが、どこかで断ち切らないと
長時間労働⇒睡眠不足⇒仕事の質の低下⇒長時間労働⇒睡眠不足・・・
といった負の連鎖が終わることはありません。
生徒や児童たちのことを大切に思うのであれば、
まずは教職員の皆さんこそが常に心身ともに健康な状態で
なければいけません。
そのためにも、特に管理職の方々は、個人の問題としてではなく、
学校全体の問題として認識していただき、
固定概念をひっくり返すほどの発想で改善を進めていく
必要があると思います。
(文責:木村)