地震大国と言われる日本。
阪神・淡路大震災や東日本大震災といった未曾有の大災害をはじめ、
今年4月にも熊本地震が発生し甚大な被害を受けたことは
記憶に新しいところです。
また、近い将来での南海トラフ地震の発生可能性も指摘されており、
いつどこで起こるかわからない災害に備え、学校では児童生徒を
守るための取り組みとして以下のようなことが行われていることと
思います。
・定期的な避難訓練
・施設、設備の安全点検
・児童生徒の引き渡し訓練
・備蓄品の確認
・校外への避難経路や避難場所の点検 など
備えあれば憂いなしと言いたいところですが、
突然発生する災害に対しては、どれだけ準備をしても
万全ということはないようにも思えます。
さて、タイトルの「防災ミステリーゾーン」ですが、
防災を意識しない人には危険に見えないけれども、
意識した人にはとても危険に見える箇所とのことで、
ここではブロック塀が例として挙げられています。
危険と感じなければただの塀かもしれませんが、
ブロック塀は1個10kgあり、それが大量に崩れてきた
ときのことを考えると、非常に大きな被害となるのは
容易に想像できます。
実際に、過去には以下にような被害も発生しているようです。
1978年宮城沖地震(震度5)では、死者28名中18名がブロック塀倒壊による
犠牲者です。通学中の小学生もいました。熊本地震の熊本市でも、29歳の
男性がブロック塀倒壊により命を落としています。
学校周辺には、民家などのブロック塀はあちらこちらにあるかと
思いますが、校内での防災活動を万全に行っていても、
学校周辺で児童生徒が被害にあってしまっては大変です。
自治体によってはブロック塀の撤去に助成金を出しているところも
あるようですが、全ての住民の方に理解を得て撤去を進めることは
簡単ではないでしょう。
宮城沖地震で同じ登校班だった方がいた埼玉県の講演では、その方が、講
演後に意見を言ってくださいました。宮城県では、1978年以降、ブロック
塀撤去に取り組んできた。でも、ここに引越したら危険な塀だらけだっ
た。地震に対する意識が薄いのかと不安になりますと。
すると、参加者でもあった中学校の校長先生がすっと立ち上がり、おっし
ゃいました。「本当に学校のまわりは危険な塀だらけだ。ここにいるみな
さんの力で、なくしていきましょうよ! 」と。
会場には、乳幼児連れのパパママ、学校PTA関係者、子育て支援者、公民
館館長さん、消防団員と地域のいろいろな方がいらっしゃったのですが、
満場一致の拍手がわき起こりました。
いまでも、思い出すと鳥肌がたってしまいます。
学校と地域が連携し、危険な箇所を少しでも減らしていくことが
できればもちろんいいのですが、時間も労力も費用もかかることです。
明日にでも起きるかもしれない災害に備えて、
学校周辺の「防災ミステリーゾーン」を調べることはすぐにでも
実施する必要がありそうです。
(文責:木村)