仕事柄、学校法人の理事会に陪席させていただくことがあります。
発言の機会があることもあれば、単に陪席しているだけ、ということもあります。
先日もある学校で理事会に陪席。
その会場は「教室」でした。
通常、会議室が使われるのですが、たまたま他の用件で使われていて、空きがなかったためやむを得ず…とのことでした。
これもまた仕事柄、学校の活動を見せてもらうことがあります。
行事や部活動は拝見する機会も少なくないのですが、授業を拝見するとなるとかなりハードルが上がります。
そんなこともあって、「教室」という場所は少し近寄りがたい、でもとっても興味深い場所。
そんな場所で理事会が開催されるということで、個人的にはちょっとワクワク。
気持ちを高ぶらせて会場となっている教室に伺いました。
その教室は中学生が学ぶ部屋。
電子黒板がセットされている以外は、教室の風景は自分が経験したのとそれほど変わりません。
そして、生徒が座る椅子と机を拝借し、そこに座ってみました。
うん、やっぱり懐かしいなあ…
と感慨にふけったのはほんの一瞬でした。
理事会が始まる少し前にその席に座ったのですが、理事会が始まってすぐにその席の座り心地が芳しくないことに気づきました。
その日は評議員会も同日開催だったため、理事会と合わせて5時間ほどその席に座っていたのですが、長時間はかなり辛いものがありました。
そして、資料を置いたときに机の狭さも痛感。
やはり理事会は会議室の方がいいのかもな、と心の中で苦笑していました。
ただ一方で、施設の大切さを肌で感じることができたのも事実です。
理事はその学校の役員≒経営者でありながら、学校に出向くときには「お客様扱い」になることも多いように思います。
よそ行きの学校の顔をいくら眺めても、学校の経営課題は十分把握できないでしょう。
その意味で、今回のように理事会を教室で開催することの意義は大きいのかもしれません。
そしてそれ以上に、教育活動に触れる機会は重要です。
特に「授業」は、学校が提供するサービスの核心とも言えるもので、この内容を知らずして経営判断を行うことの危険性は言わずもがなでしょう。
理事の皆さんは授業参観、されていますでしょうか?
私が関わらせていただいている私学では、理事による授業参観を定期的に実施している、あるいはいつでも誰でも授業参観ができるなど、授業風景の開示に心を砕いておられる学校さんがいくつもあります。
別の学校に訪れた時には、その学校の教頭先生が
「(教学方ではない)理事長が教員に授業の感想を言うと、耳を傾けてもらいやすい」
とおっしゃっていました。
まずは知ること。
そのために、理事会だけではなく、授業参観や行事参観などの機会もぜひ、理事会の一環として企画していただければと感じた次第です。
ちなみに、そうなっていくと次の課題は理事の「報酬」です。
このことは回を改めて考えてみたいと思います。