寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「いじめ」に関する調査等結果について

嬉しくないデータですが、経営課題としてしっかり認識するために、本日はいじめに関する調査結果をご紹介します。

文部科学省HPより。

 

平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における「いじめ」に関する調査等結果について:文部科学省

 

調査対象は国公私立・小中高特別支援学校。私学もちゃんと入っています。

概要がまとめられていましたので、引用しつつ、コメントを付させていただきます。

小・中・高等学校及び特別支援学校における、いじめの認知件数は188,057件であり、児童生徒1千人当たりの認知件数は13.7件である。

① いじめの認知件数は、小学校 122,721 件(前年度 118,748 件)、中学校 52,969 件(前年度55,248 件)、高等学校 11,404 件(前年度 11,039 件)、特別支援学校 963 件(前年度 768 件)の合計 188,057 件(前年度 185,803 件)。

② いじめを認知した学校数は 21,641 校(前年度 20,004 校)、全学校数に占める割合は 56.5%(前年度 51.8%)。

近年いじめの認知を進める努力がなされている中で、中学の認知件数が減っているのが逆に気になります。

③ いじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合は 88.7%(前年度 88.1%)。

④ いじめの発見のきっかけは、
・「アンケート調査など学校の取組により発見」は 50.9%(前年度 52.3%)で最も多い。
・「本人からの訴え」は 17.3%(前年度 16.8%)。
・「学級担任が発見」は 12.1%(前年度 12.8%)。

⑤ いじめられた児童生徒の相談の状況は「学級担任に相談」が 73.6%(前年度72.8%)で最も多い。

⑥ いじめの態様のうちパソコンや携帯電話等を使ったいじめは 7,898 件(前年度 8,788 件)で、いじめの認知件数に占める割合は 4.2%(前年度4.7%)。 

クラス担任がいじめを見つけられるケースは限定的である一方、相談相手はクラス担任が多数に上っているという実態が分かります。しかもその傾向は前年度よりも本年度のほうが強くなっています。

⑦ いじめの日常的な実態把握のために、学校が直接児童生徒に対し行った具体的な方法について、
・「アンケート調査の実施」は、いじめを認知した学校で 98.8%(前年度 97.9%)、いじめを認知していない学校で 94.3%(前年度 92.8%)の合計 96.9%(前年度95.5%)。
・「個別面談の実施」は、いじめを認知した学校で 87.7%(前年度 85.4%)、いじめを認知していない学校で 85.3%(前年度 81.2%)の合計 86.7%(前年度 83.4%)。
・「個人ノート等」では、いじめを認知した学校で 55.6%(前年度 54.9%)、いじめを認知していない学校で 51.4%(前年度 51.8%)の合計 53.8%(前年度 53.4%)。

実態把握の方法として何が適しているのか分かりませんが、見つけにくいいじめほど、当事者の苦しみがより大きくなるであろうことにも留意して、大人が適切なメッセージを発し、いじめに関わる子どもたちが一日も早く、そこから解放されることを願っています。

 

そして冒頭にも書いたとおり、学校経営においていじめへの対応は重要な課題であり続けるでしょう。

御校での取組が功を奏することも願いつつ、本日のブログを閉じたいと思います。