寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について

本日は、ちょっと興味をひかれた統計をご紹介しましょう。

 

大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について |報道発表資料|厚生労働省

 

この調査は平成27年8月下旬~9月にかけて、大学生・大学院生・短大生・専門学校生に対して実施されたもので、当該HPに「調査結果のポイント」が掲載されています。

以下、抜粋してみました。

1 週1日以上、3か月以上にわたってアルバイトを行った経験を有する大学生等に、アルバイトに関する意識等調査を実施し、1,000人から回答を得た。

2 対象者1,000人が経験したアルバイトの業種等は、コンビニエンスストア(15.5%)、学習塾(個別指導)(14.5%)、スーパーマーケット(11.4%)、居酒屋(11.3%)の順であった。

3  学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち 58.7%が、労働条件通知書等を交付されていないと回答した。労働条件について、学生が口頭でも具体的な説明を受けた記憶がないアルバイトが19.1%であった。

4 学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち48.2%(人ベースでは60.5%)が労働条件等で何らかのトラブルがあったと回答した。トラブルの中では、シフトに関するものが最も多いが、中には、賃金の不払いがあった、労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかったなどといった法律違反のおそれがあるものもあった。

世間には最近「ブラックバイト」なる言葉も出てきていて、報道等を見る限りではありますが、その状況は軽視できないものがあるようです。

上記ポイントの中では、「労働条件等で何らかのトラブルがあった」と回答した率がそれを物語っていて、法律違反が疑われる事例もあったとのこと。 

学生バイト、となると管理する側にも少し甘えが出がちであるようにも思いますし、この調査結果を受けて、学生たちが働く環境が改善されることを願います。

 

ただ一方で、自分の経験上、学生時代は「労働法規」というもの自体への意識が薄いのもまた事実で、正直なところ、私も過去のアルバイト経験の中で「労働条件通知書」なるもの(あるいはそれに代わるもの)を交付された覚えは一度もありません。

賃金の不払いになったことはありませんが、休憩時間についてもそれほど深く考えたこともなく、今さらながら自らの不勉強を恥じています。

 

他の調査結果を見ると、働きながら学生生活を送っている、それが単なる社会勉強ではなく、学費や生活費を稼ぐために必死である、という例も昨今増えているようです。

本調査にも「あなたが最初にアルバイトを始めたのはいつですか」という設問があり、「高校在学時から」が20.9%で最多、「高校を卒業してすぐの3月」が11.5%、「大学・専門学校等1年生の4月」が14.7%で、ここまでで半数近くを占めています。

金銭的に切羽詰まった例ばかりではないと思いますが、経済的に楽な状態であればここまでの率にはならないようにも思います。

学生のそんな状況に思いを致しながら、人生の先輩として、事業者は適切な環境確保をする必要があるでしょう。

 

ちなみに、学生・生徒が学校で仕事をする、というケースってあまり多くないのでしょうか。

慢性的に人不足である学校現場、そして安全で安定的な仕事を求める学生。

両者のニーズがマッチしているのであれば、それもまたひとつの方法なのでは?と思ったりするのですがいかがでしょうか。