寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

管理職への昇進を敬遠

業界特有の話、ではありませんが、自分にとってタイムリーな話題だったので本日はこちらを採り上げます。

YOMIURI ONLINEより。

 

管理職への昇進を敬遠 : ジョブサーチ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

このニュースに掲載されている調査結果はパソナキャリアカンパニーが行ったもの。

こちらに情報元をリンクしておきます。

女性リーダーに関する調査2015 ~主任クラス以上の女性1,000名の仕事・キャリア意識を調査~ | 正社員転職のパソナキャリア

 

YOMIURI ONLINEの記事の表題だけを見た時には分からなかった情報に、ここで初めて気づくわけです。

この調査が女性を対象にしたものである、ということに。

まずは調査結果の概要を引用しておきます。

① 働くこと・キャリアアップに関する意識

●女性リーダーの8割半が「働ける限りは働き続けたい」、ママリーダーでは9割半!
●「恋愛・結婚より仕事優先」 女性リーダーの3割
非管理職層の半数以上は「管理職を敬遠」しているが、"職場環境等の好転"で98%は「管理職を目指す」

② 転職に関する実態
●女性リーダーの4人に3人が転職を考えた経験あり
●転職を考えた理由 1位「やりがいのある仕事がしたい」、2位「能力を発揮できる環境が欲しい」
●転職相談すると有益だと思う相手 2位は「キャリアアドバイザー」、1位は?
●"転職相談するならこの人!" 女性1位「天海祐希さん」、男性1位「マツコさん」

③ 女性リーダーがより活躍するために
●女性リーダーに必要な力とは? 最多回答は「感情のコントロール」
●女性リーダーの悩み トップは「身近にロールモデルがいない!」

(以下省略)

はい、というわけで、女性に絞った調査結果となっています。

そしてYOMIURI ONLINEが目を付けたのはこの中の「管理職を敬遠している」という内容。

記事にはこう書かれています。

主任、係長職として働く女性の56%が課長級以上に昇進することを敬遠している――。

 こうした意識が、パソナキャリアカンパニー(東京)が4月、女性1000人を対象にした女性リーダーに関するインターネット調査でわかった。

 昇進を敬遠していると答えた人に、管理職を目指したいと思える環境(複数回答)について聞いたところ、「ワーク・ライフ・バランスの実現」(47%)、「過度な長時間労働がない」(42%)、「役割相応の報酬」(37%)などが上位となった。「女性社員の意見が軽視されない」「会社が男社会体質でない」などもあがった。

 「管理職を目指すことはない」と答えたのは2%で、職場環境が好転すれば管理職を目指す考えに変わる女性が多いといえそうだ。

この調査においては、「男女」を対立軸と見ているようなので、女性にとってどうなのか、という点がどうしても強調されてしまうのはやむをえませんが、私がこの記事に魅かれたのは何も女性が管理職を敬遠しがちだからではなく、

「性別を問わず」「業界を問わず」

管理職が敬遠されているように感じているからです。

 

つい先日も、訪問したお客様のところで「メンバーが管理職になりたがらない」というご相談を受けたところです。

私なりに思うのは、これには多くの理由があって、本人の志向やこれまでの経験などが大きな要素であることも否定できない一方、組織がそのことを真剣に考えず、しくみも整えていないのも看過できないのではないか、ということです。

 

例えば管理職手当。

学校では特になべぶた=横並びを重視するあまり、管理者側が一般教職員に対して手当でもって譲歩するケースが多くみられます。

ですが、そのときはそれで乗り切ったとしても、その後経営を継続する中で、管理職へのなり手が減っていくことは当然の帰結だとも思うのです。

そして、今回の調査にもある長時間労働。

一般職よりも先に帰るなんて…と思っていらっしゃる管理職さんも多いですが、逆に管理職が長時間職場に滞在しているからこそ、誰しもが「残ってていいんだ」という感覚を持つのだ、というのが私の持論です。

そんな経験は誰しもにあるはずなのに、時間の経過とともにその感覚がマヒしてしまっているのではないでしょうか。

 

経営にとって、管理職の存在は大変重要です。

そして、管理職の育成は一朝一夕では成りません。

長期を見据え、着実に管理職候補が育成され、また本人もその意欲が持てるようなしくみの整備をお願いしたいと強く思っている次第です。