寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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大阪府、入試に「絶対評価」を導入

ローカルなニュースで恐縮ですが、大きな変化ですので共有させていただきたいと思います。

リセマムより。

 

【高校受験2016】大阪府、入試に「絶対評価」を導入…統一ルール決定 | リセマム

 

大阪府では府下の各中学が調査書に記載する評価が「絶対評価」になるという話題、すでに皆様もお聞きになっていると思います。

絶対評価というのは評価者が複数になると当然のことながらその調整が必要になるわけですが、これを事後の調整、つまり評価基準の厳格な統一ではなく、評価後の点数を調整する方法によって行う、というのが先般発表になったルール。

しかも、この制度が導入されるのが2016年度、つまり来年度に高校に入学する生徒から。何とも「早い」結着ですね。

 

今回のニュースはそのルール決定についてのもので、大阪府のHPにも内容が掲載されています。

大阪府/平成28年度大阪府公立高等学校入学者選抜における調査書の評定の取扱いについて

 

以下、上記ページの冒頭部分を引用させていただきます。

現在の中学校3年生が受験する平成28年度大阪府公立高等学校入学者選抜では、調査書の評定は目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)になり、中学校3年生の中学校での学習内容が評価の対象となります。

中学校が調査書を記載する際の大阪府全体の統一ルール(基準)が、平成27年4月の大阪府教育委員会会議で決まりました。(詳細は別紙を参照)

なお、その統一ルールでは、4月21日に行われる、平成27年度全国学力・学習状況調査の正答率のみを各中学校の評定平均の目安を定めることに用いますが、個人の結果が、生徒一人ひとりの調査書の評定に直接結びつくものではありません。

また、別紙に記載されている評定分布については、府内統一の評定平均を算出するためだけに用いたもので、各中学校の評定の割合を、これで確定させるものではありません。

国学力テストを学校間調整に利用する、とのこと。

この点については文科省も懸念を示しているところですが、どうやらこのまま制度は確定しそうな気配です。

 

絶対評価そのものについては賛成意見も少なからず存在すると思うのですが、今回の制度が絶対評価の方法として適切であるとの考えは決して多くないように思います。

このブログではその制度の良否についてはこれ以上言及しませんが、大阪府下の高校入試制度はここから大きく変化すること自体は間違いありません。

絶対評価のことが大きく採り上げられている一方で、「前後期入試の一本化」「同一校内の学科間の複数志望容認」「受験生による自己申告書の提出義務化」など、それ以外にもいろいろな変化が予定されています。

 

大阪府下では次年度の高校入試において、いろいろな混乱が発生するのではないかと私自身もハラハラしています。

でも、当の受験生はその気持ちがもっと強いでしょうね…

 

さて私立高校にとって、公立高校の入試制度が変わることは入学者数とその学力等に大きな影響を及ぼします。

大阪府以外の自治体においても、将来に向けて制度が変わることは十分想定されます。

生徒募集は学校におけるマーケティングの最重要目的。

ぜひとも各校の存する自治体がどのようなことを考えているのか、常なる情報収集をお勧めいたします。

 

ちなみに大阪府の今後の高校入試制度についてのまとめ資料を最後に掲載しておきます。ご参考にどうぞ。

大阪府公立高等学校入学者選抜制度改善方針