寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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長期失業者5年ぶり100万人割れ

先日、ある老人福祉施設の施設長と話をする機会があったのですが、いろいろな経営課題を抱えられている中で、最も大変なことが「人材確保」だとおっしゃっていました。

介護業界では以前から人財確保が大変であったところ、最近は特にその傾向が強い、とも。

その理由のひとつがこの統計にも表現されているように思います。

というわけで、本日は2014年の労働力調査について書かれたこの記事を採り上げます。

 

長期失業者5年ぶり100万人割れ 求人増で :日本経済新聞

 

この記事が着目しているのは「長期失業者」。

長期失業者とは1年以上仕事を探している失業者のことで、前年より15万人減と大幅な減少になっています。表題にもあるように、この数値が100万人を割り込むのは5年ぶりとのことです。

記事には『職種や賃金といった労働条件にこだわらなければ仕事に就きやすくなっている』との指摘も。

完全失業者が仕事に就けない理由として「条件にはこだわらないが仕事がない」と答えた人は7%と、過去10年で最少。34歳以下の若い完全失業者ではその理由のうち最多なのは「希望する種類・内容の仕事がない」(36%)。ミスマッチが大きな原因と言えます。

 

この記事のもとになっているデータはこちらです。

統計局ホームページ/労働力調査(詳細集計) 平成26年(2014年)平均(速報)結果

 

このページに記載されている「結果のポイント」も一部抜粋しておきましょう。

・2014年平均の役員を除く雇用者5240万人のうち,正規の職員・従業員は,前年に比べ16万人減少し,3278万人。非正規の職員・従業員は56万人増加し,1962万人
・非正規の職員・従業員について,男女別に現職の雇用形態についた主な理由で最も多いものをみると,男性では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が前年に比べ9万人減少,女性では「自分の都合のよい時間に働きたいから」が21万人増加
・2014年平均の非労働力人口4483万人(前年に比べ17万人減少)のうち,就業希望者は前年に比べ9万人減少し,419万人。就業非希望者は20万人減少し,3965万人。なお,就業非希望者のうち「65歳以上」は61万人増加

正規雇用から非正規雇用へ。その流れは明確になっています。

私学でもその傾向を見てとれる昨今ではありますが、人件費や労務トラブルの観点をあまりに偏重しすぎると、学校運営に対する責任感や愛着、貢献意欲など、本当に大切にすべきことが薄まってしまうことも同様に留意しなくてはなりません。

逆に今こそ、長期で安定的に働ける職場であることを組織の強みとした職場環境づくりがあってもいいように思うのですがいかがでしょうか。

 

採用環境が厳しいときに特に考えるべきは「安定的に勤務してもらえる環境づくり」と「雇用者の成長を促すしくみづくり」だと私は考えています。

ぜひ御校ならではの取組を実践してみてくださいね。