寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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初任給:大学卒で前年比1.2%増の20万400円

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さて本題です。

今日は初任給の話題です。

毎日新聞より。

 

初任給:大学卒で前年比1.2%増の20万400円 - 毎日新聞

 

厚生労働省が公表した新卒者の初任給に関する調査結果です。

概要は以下の通り。

・大学院修士修了者:228,300円(前年比0.1%増)

・大学卒:200,400円(同1.2%増)

高専・短大卒:174,100円(同1.1%増)

・高卒:158,800円(同1.8%増)

・大卒男子を除き、企業規模間格差は縮小

・産業別で伸びの大きかった業種

 大卒:学術研究・専門、技術サービス業、運輸、郵便業

 高卒:卸売り・小売業、建設業、医療・福祉

 今回の調査結果の大きな特徴は記事にも書かれている通り、大卒も高卒も初任給は増加したものの、小企業に就職した高卒男子の初任給が大企業のそれを上回った、という点。

厚労省賃金福祉統計室のコメントとして「高卒の建設や医療・福祉などの賃金が上昇している。人手不足感が広がり、全体に初任給を押し上げているのではないか」との記載がなされています。

 

この記事を学校からの視点で見ると2点の気づきがあります。

1点目は、進路指導との関連です。

学生・生徒はどうしても大企業志向が強くなってしまうもの。

それは大企業と中小企業では世間での露出度に大きな差があるからやむを得ないところがあります。

ですが実際のところ、どちらのほうが力が発揮できるか、という点では規模による優劣は存在していないのが事実です。

そして今回、初任給も企業規模による格差は縮小し、経済的な面においても両者を並べて考える素地ができてきつつあります。

ともすると学校の先生方、あるいは学校自身も進路実績のアピール度から大企業、有名企業志向が強まってしまうこともないとは言えないでしょう。

本当の意味での進路指導のために、本件のような事実は正確に伝えてあげたいところです。

 

もうひとつは学校における初任給の設定はどうか、という点です。

人件費が経営を圧迫している私学は少なくないと思いますが、その流れから、給与水準を下げることを検討される場合、初任給の設定はこのような統計を無視してはなりません。

なぜなら、就職する側にとって「私学への就職」の対抗馬は「公立校への就職」のみならず、「一般企業への就職」も含まれるからです。

採用競争力の観点から、初任給の設定は無視できません。

給与制度設計の際にはぜひご留意いただきたいと思います。