寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

2015年度文部科学省概算要求より

予算編成に関する動きが活発化する時期になってきました。

新聞記事にも各省の概算要求の内容が掲載されています。

そこで、今日は文科省の概算要求に関する情報をお届けします。

 

まずは概算要求の概要について。

まだ予算化される前のものではありますが、補助金を含め、今後の文教行政の方向性が推測できますので、ぜひ活用したい資料です。

平成26年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(平成25年8月):文部科学省

 

この中で、文教関係の項目を以下に抜粋します。

1.社会を生き抜く力の養成

(1)少人数教育の推進など教職員等指導体制の整備
(2)全国的な学力調査の実施
(3)道徳教育の充実
(4)特別支援教育の充実
(5)いじめ対策の推進
(6)子供の体験活動の推進
(7)キャリア教育・職業教育の充実
(8)情報通信技術を活用した学びの推進
(9)土曜日の教育活動の推進
(10)社会人や女性の学び直しの機会の充実
2.未来への飛躍を実現する人材の養成
(1)グローバル人材育成のための大学の国際化と学生の双方向交流の推進
(2)初等中等教育段階におけるグローバル人材の育成
(3)持続可能な開発のための教育(ESD)を通じたグローバル人材の育成
(4)国立大学改革の推進
(5)国立高等専門学校の教育研究基盤の確保
(6)私立大学改革、多様な人材育成への支援など私学の振興
(7)国公私立大学を通じた大学教育改革の支援
(8)高度医療人材の養成と大学病院の機能強化
(9)専修学校等の人材養成機能の向上に向けた支援
3.学びのセーフティネットの構築
(1)幼児教育に係る保護者負担の軽減無償化に向けた段階的取組)
(2)高校授業料の無償化の見直し
(3)大学等奨学金事業の充実と健全性確保
(4)国立大学・私立大学の授業料減免等の充実
(5)学校施設等の耐震化(非構造部材を含む)、老朽化対策等

 なお、太字は個人的に興味を持ったものを示しています。ご参考まで。

 

また、私学助成関連のものを以下に引用(一部加工)します。

少々長くなりますが、政策の傾向が把握できますので、ぜひご一読ください。

◆私学助成関係4,692億円(373億円増)
○私立大学等経常費補助3,330億円(155億円増)
・建学の精神や特色を生かした私立大学等の教育研究活動を支援するための基盤的経費を充実するとともに、被災地にある大学の安定的教育環境の整備や授業料減免等を支援
◇私立大学等改革総合支援事業
教育の質的転換、地域発展、産業界・他大学等との連携、グローバル化などの改革に全学的・組織的に取り組む私立大学等に対する支援を強化するため、経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援
◇授業料減免等の充実約0.3万人増(25年度約3.7万人→26年度約4.0万人)
私立大学等が経済的に修学困難な学生を対象に実施している授業料減免等への支援の充実を図るとともに、学内ワークスタディ等への支援など、学生の経済的負担軽減のための多様な支援策を講じる大学等への支援を充実

○私立高等学校等経常費助成費等補助1,059億円( 37億円増)
・私立高等学校等の教育条件の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全性の向上を図り、各学校の特色ある取組を支援
◇私立高等学校等における教育相談体制の整備、教育の国際化の推進、特別支援教育に係る活動の充実、学校安全の推進、授業料減免事業、私立幼稚園における預かり保育、障害のある幼児の受入れ等

○私立学校施設・設備整備費258億円(181億円増)
・私立学校の質の高い教育研究活動等の基盤となる施設・設備等の整備を支援。また、財政融資資金を活用し、学校法人が行う施設整備等に対して融資
◇「私立学校施設防災機能強化集中支援プラン」により、私立学校施設の耐震化の一層の促進を図る
◇学校施設の耐震化等防災機能強化を更に促進するため、校舎等の耐震改築事業を新たに支援
○私立大学等教育研究活性化設備整備事業45億円( 前年同)
・私立大学等改革総合支援事業の一環として、教育の質的転換、地域発展、産業界・他大学等との連携、グローバル化などの改革の基盤となる教育研究設備の整備を支援 

 

さらにこれらの項目のいくつかについて、新聞でも採り上げられています。

いずれも日経より。

地方私大に補助103億円 15年度概算要求 :日本経済新聞(有料会員限定記事です。ご容赦ください)

奨学金の無利子枠3万人増 文科省、低所得世帯を支援 :日本経済新聞

 

前者は私学経営が困難を極める事例が多くなってきたことによる措置だと考えられます。

記事によれば、この春に定員割れたした4年制の私大は全体の46%。なかでも地方の私大約340校のうち半数が赤字経営に陥っている、と書かれています。都市部よりも低い地方の大学進学率をこれ以上下げないためにも、地方大学の再建は必要と国は考えているようです。

 

今日は長くなってしまいました。経営のご参考になれば幸いです。