本日は学校や学生に対する公的補助制度に関するニュースを3つお届けします。
まずは少々古くなるのですが、先月公表された調査結果です。リセマムより。
http://:title=授業料無償化制度対象者の86%「私立高校に修学できたのは制度のおかげ」]
大阪府では、2012年度の新1年生から私立高校の授業料無償化制度(=私立高校生等授業料支援補助金)を実施しています。
そして今年3月に、この無償化制度で3年間学んだ生徒が初めて卒業を迎えたため、高校生活に関する満足度調査を今年1月に実施したとのことです。
その結果概要は次の通りとなっています。
○授業料無償化制度の影響
・「無償化制度があったので、私立高校に修学することができた」と回答した割合:86.1%
→世帯収入別では…
・年収250万円未満:93.8%
・同 350万円未満:92.7%
・同 500万円未満:91.3%
・同 600万円未満:90.5%
・同 800万円未満:87.9% ⇒年収が上がるほど減少
○私立高校を選択したときの決め手
・「公立高校にはみられない独自の建学の精神がある」:15.4%(最多)
・「進学指導が充実している」:13.6%(次点)
○3年間の高校生活を通じた学校の先生に対する評価(「そう思う」+「多少そう思う」の割合)
・「生徒の指導に熱心だった」:84.8%(最多)
・「信頼できる先生であった」:84.4%
・「生徒をよく理解してくれた」:80.0%
「基礎学力が身に付く教育を行っている」という項目の期待値到達度が低いのが少々気になりますが、それでも私学で学ぶ機会が得られたこと、また実際に私学を経験したことによる子供たちの満足度はそれなりに高いことがうかがえます。
かと思えば、こんなニュースもありました。日経より。
低所得者世帯の私立高生 16道県、支援拡充せず(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)
現在の私立高校生への財政支援策は、国の支援金+都道府県の授業料減免制度、という「2階構造」。
国は今年度から高校授業料の無償化制度に所得制限を設けることで財源を捻出し、このうち約94億円を低所得世帯の私立高生への支援金に加算しました。
このことで都道府県の負担分が減り、結果として自治体には一定の余剰金が出るため、このお金で現行の財政支援策を拡充するようにと、文科省は各自治体に要請したそうです。
がこの制度拡充が実現していない自治体が16道県あった、というニュース。
対象自治体担当者のコメントとして「私立学校への補助金など私学関連の予算全体は増やした。今後の授業料の引き下げにつながるはずだ」「もともとの支援策が他の自治体と比べて手厚い。様々な形で予算配分することで、私学に通いやすい環境を整えている」といったものが紹介されていますが、残念なニュースであることに変わりはありません。
最後に、Benesse教育情報サイトに掲載されたコラムです。
自治体の教育支出、増えたけれど……耐震化に迫られ?‐渡辺敦司‐
毎年文科省が実施している「地方教育費調査」。
その中間報告はこちらになります↓
その結果についてまとめてあるのが先ほどのベネッセの記事になります。
コラムで指摘がある通り、教育支出は増えたものの、その多くが耐震工事だとすれば、やはり寂しい話だと言わざるを得ません。
教育活動は未来をつくるために行うもの、という考えは何もこのコラム執筆者の渡辺氏や私に限ったものではないと思うのですがいかがでしょうか。
以上、本日は学校に対する公的支援について考えてみました。
(文責:吉田俊也)