寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

平均寿命 男女とも最高

このブログでもたびたびお伝えしている、人口動態に関するニュース。

日本の人口構成は高齢層へのシフトが進んでいるようです。

日経新聞より。

 

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2019年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳となり、ともに過去最高を更新したことが31日、厚生労働省が発表した簡易生命表で分かった。前年に比べ、女性は0.13歳、男性は0.16歳延び、いずれも8年連続のプラスとなった。女性は5年連続で世界2位、男性は3年連続で3位だった。

 

「平均寿命」という言葉はよく耳にしますが、

その正確な定義をご存知でしょうか。

「今後死亡状況が変化しないと仮定し、その年に生まれた0歳児が

 平均で何歳まで生きられるかを予測した数値」だそうです。

近年は医療技術の進歩のみならず、

健康意識の高まりもあって伸びてきているようですが、

男女ともに80歳を大きく超えているんですね。

 

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平均寿命が延びることを私学経営にあてはめて考えれば、

真っ先に出てくるのが「定年延長」ではないでしょうか。

各校園とも、今後の定年延長はある程度頭の中に置いておられると思いますが、

さてそれをいつ実現するのか、実現した場合の財政は…

など、検討課題はいろいろあることと思います。

できれば早めのシミュレーションを実施しておきたいところですね。


ちなみに、平均寿命とともに、最近は「健康寿命」も言われます。

この最新データは2016年のものになってしまうのですが、

男性は72.14歳、女性は74.79歳だったそうです。

どちらも、平均寿命まで10年ほどのギャップがありますね。

 

元気に動ける時間が少しでも長くなるように、

頭と体の健やかさを大切にしたいものです。

学校現場の皆様にも、くれぐれも過労にご留意くださいね。

 

(文責:吉田)

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雇用情勢 厳しさ続く

コロナ禍がなかなか落ち着かない昨今。

雇用情勢も厳しい状態が続いているようです。

日経新聞より。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい雇用情勢が続いている。企業は5月の緊急事態宣言解除後も人員削減の手を緩めていない。特に非正規の雇用者数は6月に前年同月比100万人超の減少と、比較可能な2014年以降で最大の落ち込みになった。回復にほど遠い経営環境と先行きへの警戒が雇用意欲を冷え込ませている。

 

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実は、直近(7月)の完全失業率は前月から0.1ポイント下がり、

7カ月ぶりに改善しています。

ただこれは、就職できた人が多かったのではなく、

職探しをする人が5万人減ったことが主因とのこと。

状況は改善されてはいないようです。

 

 

6月の就業者数は1年前に比べて77万人減の6670万人だった。正社員は2カ月ぶりの増加に転じた一方、非正規の雇用者数は104万人減の2044万人になった。

失業者のうち、勤め先の都合などリストラによる失業者は41万人。前年から19万人増えた。

 

さてこのニュースをご覧になって、

学校関係者の皆様はどんなご感想をお持ちになるでしょうか。

場合によっては、ピンとこない、という方もいらっしゃると思います。

教育機関の場合には、異なる景色が広がっているようです。

業種別でみた雇用者数の増減は下のグラフが分かりやすいです。

 

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教育・学習支援は学校の休校が長引いた影響で20万人増、医療・福祉は8万人増となった。こうした新型コロナへの対応が押し上げた業種もあるが、就業者全体でみると4月の80万人減、5月の76万人減に続く大幅な前年割れになった。

 

 

飲食や旅行業を中心に厳しい運営が続く状況下において、

どの事業所でも、今後を見据えた経営がよりいっそう重要になっています。

このことは学校でも当然あてはまりますよね。

雇用情勢が厳しいということは、それだけ市場には人がいる、

ということを意味しています。

将来に向けた人材確保について、実は今がチャンス、

と言えるかもしれませんがいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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国立大24校、交付金増

メリハリを付けた補助金が増えてきていますね。

日経新聞より。

 

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文部科学省は(7月)29日までに、国立大への2020年度運営費交付金のうち、教育研究や経営改革の実績に基づき傾斜配分する一部についての評価結果を公表した。本年度から新たに、女性教員や障害のある学生の比率で評価する「ダイバーシティ環境醸成」の指標を取り入れ、全国86大学のうち24校が増額評価を受けた。

 

私学へは「補助金」と表現されますが、国立大の場合は「交付金」ですね。

どちらも、教育機関に対する国からの助成であることに変わりはありません。

そして国立大の場合、運営費交付金は、

教員数や学生数などに基づき算出された後で、

各大学に一定割合を拠出させた上で傾斜配分されます。

 

この記事には「新たな指標」についても説明があります。

その着眼点は「多様性」。

・常勤職員に占める女性や外国人の割合(が高い)

・障害のある学生や留学生(が多い)

によって評価されるそうです。

 

以前は概ね学校規模によって一律に決められていた配分基準が、

ここ数年でこういった傾斜的な配分へとシフトしてきています。

国立大でも昨年度から傾斜配分が導入され、

上でご紹介した着眼点のほか、

「就職・進学状況」「論文数」など13指標をそれぞれ評価し、

計約850億円が振り分けられています。

また、13指標とは別に、

「地域貢献」「特色ある教育研究」「世界で卓越」

の3分野から目指す方向を選び、目標の進捗具合を点検する、

という形での評価も実施されています。

 

国の財源が限られる中、また国政の重点施策が変わっていく中で、

教育機関への配分はメリハリ型へとシフトしてきています。

私学の場合、本来なら完全自立型財政によって、

補助金に頼らない経営ができるというのがベストですが、

そうでないとすれば、政策をうまく活用することもまた

経営上必要なことと言えるかもしれません。

 

夏を過ぎると、行政の予算編成が進捗し始めます。

行政が何に予算を配分しているのかに注意を配りながら、

自校園の方向性と合うものについては、

資金獲得を目指した動きも模索されてはいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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大学の遠隔授業、教員97%が実施

大学では遠隔での授業実施がかなり進んだようです。

日経新聞より。

 

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新型コロナウイルス感染拡大の防止策として広がった大学でのオンライン授業について、実施しているとした教職員が97%に上ることが、eラーニング開発のデジタル・ナレッジ(東京)による調査で分かった。

 

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調査は6月4~8日にインターネットで実施されたもので、

全国の国公私立大の教職員100人が回答されています。

 

オンライン授業の導入時期については

2020年4月=57.6%、同年5月=36.1%となっています。

5月には9割を超えていたのですね。

そして上のグラフにもある通り、実施形式としては

録画配信とライブ配信がそれぞれ7割超になっています。

両者にそれぞれメリットがありますから、

授業内容や参加者数によってうまく組み合わせることで、

よりよい教育環境の確保につながるものと思われます。

 

一方で、実習系の授業はというと、

37.1%が対面授業、36.1%がオンライン、実施しないとの回答が32.0%。

これはかなり対応が分かれたようですね。


ちなみに自由記述では興味深い回答が見られます。

記事に紹介されていたものを列記します。

・オンライン化がさらに進む

・対面授業との「ハイブリッド」が一般的になる

・遠隔授業を新たな講義形式として継続する

・学生個々の把握が良くなった

・今回の対応を日本中の大学で共有し、今後のオンライン講義に備えるべきだ

・そのうち通常に戻ると思う

・学生も望んでいるので、早めに対面に戻りたい

 

さて、皆さんは遠隔授業のことをどう捉えておられますか。

事実はひとつですが、そこから感じることは人それぞれです。

未来のよりよさに向かって、歩みを進めていただけることを願っております。

 

(文責:吉田)

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保育士もう辞めたい

乳幼児の保育、教育業界は特に人材の定着が難しい業界のひとつです。

労働の負荷や責任と待遇が合わないのが主因のように思いますが、

昨今はさらにコロナ禍が暗い影を落としているようです。

日経新聞より。

 

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東京都内の保育園で7月上旬、新型コロナウイルスの集団感染が起きた。通常保育に戻った園は「密」になりがちで、感染の不安は拭えず消毒作業などの負担も増す。もともと平均給与が低く、待遇の悪さが指摘されてきた保育業界。「保育士辞めたい」。現場からはそんな悲鳴も漏れる。

 

緊急事態宣言下でも止まらなかった、いや止められなかった業界のひとつが

保育園。

福祉の一端を担う保育の現場は日常が続いていましたから、

その分だけ感染リスクも高まったのはやむを得ない、当然の帰結

とも言えるのではないでしょうか。

 

「大好きな子どもたちや保護者と関わる素晴らしい仕事だが、もう限界だ」。関西の認定こども園に勤める20代女性は今年度で退職することを決めた。6月に通常保育が再開され、「自分の教室で集団感染が発生したらどうしよう」と常に不安を抱いていた。

連日、1時間以上かけて園庭や自分のクラスの玩具などを消毒。給食の時間に子ども同士の間隔を取るため机を増やし、仕切りを設けるなどの対策も取った。会議も増え、コロナ禍以前に1日平均10時間だった勤務が12時間に及ぶことも多い。指導案作成などの事務作業は休日、自宅に持ち帰ってこなす。

園側からはプールや参観などの行事を例年通り実施すると伝えられた。反対する多くの職員の声は通らず、プール用玩具の消毒などの作業負担が加わった。「当たり前に通常行事をこなすなんて」。次の仕事は保育士以外で探すという。

 

私が関わっている保育園や幼稚園の皆さんにお聞きすると、

行事を例年通り実施、というケースは皆無です。

が、そのような園も実在するということなのでしょうね。

 

仮にスタッフに無理をさせてしまえば、記事にもある通り、

それは「若者の業界離れ」という形で自らに返ってきます。

学校も幼稚園も保育園も、子どもたちを支えたい、子どもたちと関わりたいという

意欲や志を持った若者の有力な進路であるにもかかわらず、

現実のやるせなさにその気持ちが奪われることはいかにも残念です。

日常だけですら大変な業務、大変な環境ですから、

園経営の中でぜひスタッフの皆さんを守ってあげてくださいね。

 

もうひとつ、これは経営には関係ありませんが、個人的に、

ぜひとも知っておいていただきたいことがあります。

いくつかの支援施策が実施されている中で、

なぜこの人たちが支援から除外されているのか、

と憤りを禁じ得ないケースが少なからずあります。

そのひとつがこれです。

 

医療、介護従事者を対象に最大20万円を支給する国の慰労金で、保育は対象外だった。コロナでストレスが増したという都内の20代女性保育士は「保育も不安とリスクの最前線なのに。見捨てられたのではないか」と落胆する。SNS(交流サイト)のツイッターにも同様の投稿が相次ぐ。

 

これからの社会にとって必要不可欠な保育という仕事が

魅力あるものであり続けられるように、行政施策にも期待したいところです。

そして各園の経営もまた永続できるように願うばかりです。

 

(文責:吉田)

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出生率が映さぬ少子化

少子化が進む一方で、人口偏在も進む昨今。

そんな時代には、統計を読む際にも特に留意が必要です。

日経新聞より。

 

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出生率が地域の少子化の実態を映していない。全国上位10県は10年前と比べ、いずれも率が高まっているのに子供は計16万人減った。率が最下位の東京都だけ子供が増えた。子供のいない若い女性が転出すると計算上、出生率が高くなる統計のアヤがある。やはり少子化対策は若い世代をいかにひきつけるかがカギを握る。

 

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2019年の出生率10位までの県はすべて10年前より上昇。

しかし、その10県の14歳以下の人口はこの10年で16万人減。

子供の減少率は7~14%。なぜこんなことが起きるのでしょうか。

 

落差の理由の一つは出生率の算定法にある。県単位で15~49歳の女性がどれだけ子供を産んだかを割り出す。子供を産んでいない若い女性が県外に流出すると、分母が縮小して率は高まる。

 

出生率は高いのに、子どもの数が減っている。

そこには割り算のマジックがあるようです。

分子が増えるのではなく、分母が減ることによって率が上がる、

ということに留意が必要です。

 

東京は逆に若い女性の流入が続き、分母が大きくなるので出生率が低くなる、

という現象が起きているようです。

某研究所の担当者さんは

「子供の数は出生率より女性の増減数の影響が大きい」

と指摘しておられます。

 

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東京の女性は4万7千人の純増。小規模な市の総人口に匹敵する。転入超過数は男性の1.34倍。女性の方が東京に定着する傾向がある。人口の東京一極集中は若い女性や子供で顕著といえる。

 

そしてこの結果、

「中学受験の競争率が歴史的にも異常な高さになっている」

と、東京都内の学習塾の担当者が嘆息している、と記事にありました。

 

 

東京では子どもたちの競争激化が私学経営に影響を与え、

他地域では子どもたちの減少が私学経営に影響を与える。

もはや私学が抱える経営課題は全国共通、とは言えなくなってきているようです。

他校園の実例を知ることも重要ではありますが、

その先にある「自校園ならでは」のシナリオ策定が重要ですね。

 

(文責:吉田)

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9月になりました

いよいよ9月。

 

…と、例年なら一つの区切りになるこの時期ですが、

今年は早くに夏休みが明けてしまっている例も多く、

各校園では本日を迎える以前に

「日常」がスタートしていることと思います。

 

今年の夏は暑かったですね。

長梅雨から一気に酷暑に入り、マスクの着用とあいまって、

学校では夏の活動に普段以上に気を遣われたことでしょう。

まだまだ暑さは気を許せる状況ではありませんが、

まずは無事に2学期を始められることが何より有難いこと、

と言えるのかもしれません。

 

ただ一方で、学校に勤める教職員各位、そして役員各位もまた、

相当にお疲れのこととも推察申し上げます。

新年度が始まってからずっと異例続きの2020年度は、

異例だからこそ教育環境整備が大いに進んだという側面はあれ、

それを進めたのは現場の先生方、そして経営陣でいらっしゃったと、

弊社からも敬意を表します。

 

コロナ禍はいまだ只中にあります。

どうかくれぐれもご自愛いただき、

健やかに2学期をお過ごしいただきたいと心から願っております。

 

さて弊社は10月にセミナーを予定しております。

今回は役員各位、すなわち学校法人の理事・監事の方々に向けて

新たな私学法に基づくガバナンスのしくみ、そしてそれを支える

財務・会計のしくみについてお伝えできればと思っております。

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前回同様、安全を期しての開催を予定しております。

定員は少し小さくなってしまいますので、

ぜひともお早目のお申込をお願いいたします。

お申込みはこちらからどうぞ↓

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社会にとって、教育は最強のインフラになり得ます。

教育活動は絶対止まらないように、弊社も最大限ご支援申し上げます。

 

(文責:吉田)

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