寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「黒字リストラ」拡大

表題がおどろおどろしい印象を抱かせるかもしれません。

すみません。

ただ、このような動きがあることは知っておきたいですね。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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好業績下で人員削減策を打ち出す企業が増えている。2019年に早期・希望退職を実施した上場企業35社のうち、最終損益が黒字だった企業が約6割を占めた。これらの企業の削減人員数は中高年を中心に計9千人超と18年の約3倍に増えた。企業は若手社員への給与の再配分やデジタル時代に即した人材確保を迫られている。業績が堅調で雇用環境もいいうちに人員構成を見直す動きで、人材の流動化が進む。


東京商工リサーチの調査によりますと、

上場企業が2019年に募集した早期・希望退職者は35社、計約1万1千人。

これは2018年(12社、4126人)の約3倍と大幅に増加していて、

さらには多くの電機大手が経営危機に陥っていた

2013年(54社、1万782人)の人数をも超えたそうです。

しかしながらそれは業績が悪いからではなく、

上記35社のうち20社は直近期黒字だったとのこと。

いわゆる「黒字リストラ」という状況のようですね。

 

なぜこんなことが起きるかと言えば、

それは業務と人材のマッチングがうまくいっていないから、

というのが端的な表現になるでしょうか。

将来なすべき業務を前提とすれば、

これまで活躍してきた人材と、今後求められる人材はその要素が異なり、

新陳代謝を図らざるを得ないという判断があるようです。

 

以前のブログでもお伝えしましたが、

企業でも中高年層は給与水準がある程度高いために、

新規採用のひとつの障害になるという考え方も出てきています。

それが業務遂行能力の面からも後押ししてくるというのは、

中高年受難の時代に入ってきたとも言えるかもしれません。

 

私学でも組織運営上はよく似た構造が指摘できます。

すなわち、新たな教育目標や方針が打ち出される中で、

新たな教育ツールや教育技術が発展し、

これまでの方法よりも効果的、効率的な教育手法を実践すべきところ、

過去の方法論や成功体験にこだわりすぎてしまうことで

かえって学校の魅力を損ねてしまう危険性がある。

しかもそれは給与水準の高いベテラン層が中心になっている。

となると、早期退職を促して新たな風を吹き込まねば…

という施策になる、という流れです。

これは私自身もよく耳にするところです。

 

 

個人的にはこんなふうに思っています。

 

時代に合わなくなった考え方ややり方は変える必要があるでしょう。

ただ、簡単に変えられない人もいるし、

必ずしもこれまでのすべてを否定する必要はありません。

新旧それぞれにいいところ、改善すべきところがあり、

若手は若手なりの、ベテランはベテランなりの視点から

常に「よりよさ」を求めていくことこそが重要なのではないでしょうか。

若返りは大切ですが、ベテランがいなくなった組織はやはりバランスが悪く、

着眼点も偏ってしまいます。

お互いが理解しあえる、あるいは理解を促進するための場を持ち、

両者を掛け合わせてより大きな力を発揮できる組織を作っていくことが

これからの職場には必要なのではないでしょうか。

 

同じ組織にいる同志なのですから、

同じ目標に向かって、それぞれが持つ強みを発揮していけるはずです。

それを面倒だと思ってしまえば、

その組織は誰を構成員にしてもうまくいくはずがありません。

目標の再確認と、行動の再確認を。

よりよい学校組織のために。 

 

(文責:吉田)

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