放課後の過ごし方は、私たちが子どもだった頃と
一番大きく変わったもののひとつかもしれません。
その放課後が果たして子どもたちのためになっているのか…
という指摘がありました。日経新聞より。
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多くの小学生が放課後を過ごしているのが放課後児童クラブ(学童保育)。
ここには2万人近い待機児童がいるそうです。
これに対し、国は2023年度末までに受け皿を30万人増の152万人にする、
という目標を掲げていますが、これは妥当な目標なのだろうか、
と筆者は疑問を呈しています。
現状では小1で37%、小2で33%の子が学童保育を利用している。国は保育所と学童保育を同列に「親が働くために必要なもの」ととらえているが、小学生自身が学童保育で長時間過ごすことをのぞまない例は多数ある。女性の就業促進のための受け皿整備一辺倒ではなく、子どもの立場に立って、むしろ利用率上昇を抑える方向を模索すべきだろう。
筆者の試算によれば、母親が働く子どものうち、
学童保育を利用する割合が変わらないとの前提であれば、
女性の就業率が過去10年と同様に上昇し続けた場合であっても、
小学生人口の減少により、2025年までは横ばいとなり、
国の整備目標より2割弱少なくなるようです。
学童保育の開所は放課後の数時間で、朝から夕方まで人手が必要な保育所と異なる。親が早めに帰宅したり、在宅勤務が認められたりすれば、学童保育は必ずしも必要ない。財源や人手不足を踏まえれば学童保育の大量整備を進めるより、親の働き方の見直しや新たな発想で居場所を提供したほうが子どもの希望にもかなうと思う。
在宅勤務を含め、親の働き方を見直す、というのは、
限られた税収の有効活用という意味からも検討できそうですね。
また、居場所の提供という意味において、
筆者は児童館、図書館、子ども食堂、公園といった公共の場に加え、
幼稚園や保育所の活用、さらには企業のスペースや
「道路を放課後だけ子どもの遊び優先とする遊び場道路」も候補になる、
と指摘しています。
なるほど、いろいろとアイディアはあるものですね。
いずれにせよ大切なのは、
「子どもにとってふさわしい放課後とは何か」
ということであって、これを念頭に検討を深めたい、と締めておられます。
子どもたちにとってふさわしいものは何か。
私学で教育内容を考えるにあたっても必要不可欠な考え方でしょう。
誰しもが最重要と考えていることではありますが、
日常の中で知らぬ間に流されてしまうことでもある、かもしれません。
今一度、子どもたちにとってふさわしい学校のあり方を
考えてみるのはいかがでしょうか。
(文責:吉田)