教員の多忙さ、時間のなさを懸念する意見が数多くなっています。
日経新聞にもこんな記事が掲載されておりました。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
宮城県立高校の国語教諭として定年まで勤務した。クラス担任をもち、文化部の顧問や運動部の副顧問を担当した。こうした経験から学校現場をみると、教師のあり方を見直すときが来ていると感じる。求められる役割が広範になりすぎていることが閉塞感を生み、生徒への体罰や教員間のパワーハラスメントといった問題につながっているように思う。
この記事をお書きになっている元教員さんによりますと、
・教師は午前7時半ごろには出勤
・1日の授業は今では7時間に及び、その後に課外授業や補習を行う
・さらに部活動もある。土日も部活動の指導監督として責任と仕事がある
・進路相談や、喫煙といった問題の特別指導
・何か問題があれば長時間の職員会議が加わる
と、勤務時間が長時間にわたっていることを指摘。
一方で、こんな気になることも書いておられます。
校地・校舎を閉鎖する時刻まで生徒が残り、指導に直接あたる教師はもちろん、ほかの教師も組織の1人としての立場上、帰宅しにくい。
「帰宅しにくい」という言葉に引っかかりました。
生徒が残っているので、ということはありながらも、
具体的な業務のためではなく、職場の雰囲気の問題であるのなら、
ここに長時間勤務是正のヒントが隠れているようにも思います。
もちろん、これ以外にも考えねばならないことはたくさんあります。
筆者もこの記事をこのように締めておられます。
学習に直接関係しない仕事を思い切って整理・削除し、部活動や特別指導には外部の専門家を活用すべきだ。授業以外の雑務から解放され教師に余裕が生まれれば、教育は生徒の思考力重視にシフトしていくだろう。学ぶ者どうしの信頼感も培われる。対話型の授業を行う余裕をつくることが、学校を開かれた場とし、生徒の人間としての育成につながるはずだ。
業務そのものを見直すこと。
現場での役割分担を進めること。
それらを実行することによって、より質の高い教育活動が実践される。
確かにそうですよね。
重くなりすぎている教員の仕事を再整理することは、
私学においても、いや私学の方がむしろ重要性が高いと言えるかもしれません。
一方で、学校側が教員の業務管理と勤怠管理をきちんと行うこともまた、
前提として大切なことです。
貴校園の教育の質が高まるよう、環境整備を進めていただければと思います。
(文責:吉田)