迷走中の大学入試。
英語の民間試験に続き、ここ最近は記述式試験をどうするか、
という点もかなり声が挙がっていますね。
これまでの記事を2つ、拾ってみることにしましょう。
まずは11月初旬の日経新聞の記事から。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
英語民間試験の活用が見送られた2020年度開始の大学入学共通テストを巡り、高校現場や政界などから国語と数学の記述式問題についても導入見送りを求める声が出ている。採点の公平性への疑問や、受験生の自己採点の難しさが理由だ。文部科学省は不安解消策を講じた上で予定通り導入する姿勢だが、関係者の懸念は強い。
記述式試験で懸念されている公平性については、
導入に関する議論の中でも当然あったことだろうと思うのですが、
この期に及んで再燃している気配です。
そして受験生の自己採点の難しさも指摘されていますね。
2018年の共通テストの試行調査では、
自己採点と実際の採点結果の一致率が66.0~70.7%。
この点数を見てからの出願となると、
受験生はどうしても安全志向に走ってしまう、
という懸念はその通りであるとも感じます。
ただ、今回の入試制度改革は新たな社会(Society5.0)を見据え、
それに必要な力を養うことを目指すものであったはず。
その理念や目的はどうなってしまったのでしょうか。
振り回される子どもたちが可哀想でならないのですが…
そして先日、こんな記事も掲載されました。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
2021年1月に初回がある大学入学共通テストで導入される国語の記述式問題をめぐり、合否判定などに利用する一般入試が私立は4割にとどまることが文部科学省の集計でわかった。国公立は9割を超えた。利用しない大学からは「公平性が担保されていない」などの声が上がっている。
むむむ。利用しない私大が多くあるのですね。
懸念が払しょくされていない、あるいは新制度への理解がなされていない、
ということなのでしょう。
この状態で大丈夫なのでしょうか。
新たなしくみをつくることは簡単でない、とは思いますが、
理念や目的を見失わず、それに沿った内容のものを整えねばなりませんよね。
私学経営においても同じことが言えるような気がします。
子どもたちの未来のために。
(文責:吉田)