寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

予備校に「AI先生」

先生にもAI登場。

そんな記事が出ておりました。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

名門予備校が大学受験指導に人工知能(AI)を本格導入する。駿河台学園駿台、東京・千代田)はスタートアップと提携し、難関校の入試対策にも使えるAI教材を開発。河合塾名古屋市)はAIを用いた個別指導を12月に始める。受験生が減少し、集団授業を強みとするビジネスモデルが転機を迎えている。「AI先生」はカリスマ講師を超えられるか。

 

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駿台は今年9月、タブレット端末を使ったAI教材を開発する

アタマプラスと業務提携した、とのこと。

生徒が「三角関数」などの問題でつまずくと、過去の学習項目のどこが理解できていないかを人間の先生に代わってAIが特定し、遡って学習を促す。2018年からグループの予備校などで試したところ、模擬試験での成績向上などの効果が確認できた。センター試験レベルの基礎学力を固めるのに向くという。

(中略)

7月にAI開発の日本データサイエンス研究所(東京・文京)に出資。国公立大の2次試験や難関私立大の入試対策にも使える、高度なAI教材の開発にも取り組む。駿台が強みとするカリスマ講師の指導法を盛り込むなどしてAIを鍛錬し、年内にも一部の教科で教材を試作する。21年度からは、AI教材をメインにした高校生向けの新講座を始める考えだ。

 

上記駿台だけでなく、河合塾もこの12月から、

AIが教材やカリキュラムを提案する「河合塾One」を始めるとのことで、

産業技術総合研究所が開発したAIに、

名物講師の指導ノウハウなどを盛り込んでいく予定だそうです。

 

駿台河合塾ともに大手予備校としての存在感が大きいものの、

今後に向けては決して安心できない、とみているようです。

 

大学進学率は19年、53.7%となり、00年から14ポイント上がった。ただ、18歳人口はこの間に2割強減った。現役志向の高まりで浪人生も3割減り、難関大志望者を主な顧客とする予備校は打撃を受けた。代々木ゼミナールは15年、27カ所あった校舎のうち20カ所を閉鎖した。

経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると、高校生以上向けの塾・予備校の市場規模は18年、約2500億円だった。09年比で200億円強増えたが、これは共働き世帯の増加で子ども1人にかけられる教育費が増えているため。増加分のほとんどは個別指導型の塾・予備校によってもたらされ、集団授業型は受講者数を半分近く減らしている。

(中略)

授業の担い手も減っている。駿台は800人の講師を抱えるが年々高齢化が進んでいるという。人手不足により優秀な若手の確保も難しさを増す。そんな中で、手間のかかる個別指導を強化し、ビジネスモデルを転換するにはどうすればいいか。その解の一つがAI教材なのだ。

 

こうやってみてくると、予備校の危機感はそのまま私学にも当てはまる、

と言えないでしょうか。

 

進学実績を売りにしている学校が人気上位となっている現状がいつまで続くのか、

そのような売りを持てる学校がどのくらい減ってしまうのか、

そしてそれを提供する教員を安定的に確保できるのか…

 

AIの活用は重大な経営課題解決のための活路、と捉えられていることが分かります。

さて貴校園では今後に向けた準備は整っているでしょうか。

ぜひとも中長期を見据えた学校経営をお続けください。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp