学校現場では最も縁遠い言葉のひとつであろう、「ノルマ」。
これをどう捉えるか。少し考えてみたいと思います。
日経新聞より。
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一人ひとりの働く意欲を支えてきたものが揺らいでいる。個人を目標にまい進させたノルマは見直しの動きが広がる。同じ会社で長く働くほど上がる賃金カーブもあやしい。それでも高い意欲を持って働くにはどうすればよいか。新たな働き方に挑む人々を追う。
「個人を目標にまい進させたノルマ」。
記事はそう言いますが、「目標」は自発的であるのが大前提のはず。
「ノルマ」は組織から命ぜられたものであるとすれば、
それが同列で扱われるのはあくまでもノルマを飲み込めた社員だけ、
のはずですが…
さて、記事に登場するのは大企業勤務の2名の社員です。
1名はNTTコミュニケーションズで新事業の創出を担う部署で働いていますが、
その部署でアイデアや意欲を引き出す試みとして5月、
「OKR」と呼ぶ個人目標の立て方を取り入れたそうです。
OKRは「Objective Key Result」を指していて、
会社全体が達成するべき目標(Objective)を、
部署や個人毎の主要な成果(Key Result)に落とし込み、
Key Resultを達成することによりObjectiveを達成することを目指すもの。
会社目標を自己目標に置き換える、と言ってもいいでしょう。
OKRという言葉はさておき、
この考え方は組織目標の達成には不可欠でしょう。
学校においても、学校全体の目標を立てること、そして
それを達成するために個々の教職員が達成すべき目標を立てることは
非常に重要だと感じます。
みずほ銀行もこの4月から、
「本部が作った収益や顧客数の目標を支店に割り振る」ことをやめ、
支店が目標を考え、本部と話し合い、積み上げて銀行全体の目標にしている、
とのこと。
また、システム開発会社のエミシスでは、個々が仕事の課題をとらえ直し、
必要なスキルを考えることにしたことで、社員約40人の2~3割が、
1日8時間働くうち午前9時から2時間を新技術の習得にあてているそうです。
社員が自然と明るい見通しを持てる時代ではない。会社に目標があるのは当然だが、ノルマの単純な強化が答えとは限らない。
九州大学准教授で組織心理学が専門の池田浩(42)は「個人が会社の目標に納得して参加することが欠かせない」と指摘する。やる気やモラルの向上を目指す職場では、何をどれだけやるか、決める主体が個人に移りつつある。
米調査会社ギャラップによると、日本企業の「熱意あふれる社員」の割合は
たったの6%。
米国の32%と比べ大幅に低く、調査された139カ国のうちでも132位。
熱意は明確な目標から生まれるものだとすれば、
このたびの記事の内容は参考になるのではないでしょうか。
(文責:吉田)