「デジタル」な話題が2日続きますがご容赦ください。
なんと授業にスマホを活用?という話題です。
日経新聞より。
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神奈川県は全ての県立高校で、生徒が私物のスマートフォンなどを学習に利用できる環境を整える。先行導入した県立生田高校(川崎市)の小原美枝総括教諭は、授業を対話型に変える上でスマホなど情報機器の効果は大きいと指摘する。
県教委の指揮のもと、県内のすべての高校で、というのもすごいですね。
その自治体は神奈川県です。
今年9月には、県立高校など全144校で、
無線LANとインターネット回線の設置がほぼ完了し、
BYOD(Bring Your Own Device)の環境が整ったそうです。
BYODは生徒が各自のスマートフォンやタブレット端末を学校に持ち込むため、
学校が端末を買い与えたり、各家庭が新たに購入したりする必要がないため、
トータルコストとしては安価になることが期待できます。
昨日のブログでも紹介しましたが、
ICT活用の大きな課題となりがちな「予算確保」の面で、
BYODは検討すべき方式と言えるでしょう。
ただ一方で、特にスマホはその使い方に注意を要します。
年頃の生徒たちにとっては凶器にも代わり得るツールですので、
使用のルールが重要になります。
この記事で登場する県立高校では、
・毎日スマホを持参する
・充電は自宅でする
・端末は自己管理
・ウイルス対策は各自で行う
・ユーザーIDとパスワードは絶対に他人に教えない
・黒板の撮影は構わないが、SNS上での授業に関するつぶやきや動画の配信は禁止
・他人のIDの不正利用やハッキング行為、悪口の投稿厳禁
といったルールが定められているそうです。
4月に行う1年生向けのオリエンテーションの中でルールを徹底し、年2回の携帯電話教室と合わせて情報モラルを指導している。当初「授業中にスマホで遊ばないか」「スマホによる生徒同士のトラブルが増えないか」などが懸念されたが、授業規律の乱れや大きな問題は起きていない。
これに続けてこんなことも書かれています。
本校を視察に訪れる高校関係者からは「授業でのスマホ活用はハードルが高い」との声が聞かれる。スマホに関し「授業中は出さない」「校内ではかばんにしまう」といった規則のある高校が多いようだ。安全な学校生活のため規制が必要だという思いは理解できる。
だが高校生のスマホ所有率は9割を超え、校門を一歩出ればスマホを使う。学校での使用を禁じて校内だけを安全にするよりも、モラルやマナーを指導し、効果的な使い方を考えさせる方が生徒に有意義ではないか。
貴校園ではどのように考えられますでしょうか。
臭い物に蓋をするのではなく、むしろ使い方を適正化するという考え方は、
私学にむしろ推奨されるべき考え方のようにも思われます。
当初からはかなり後退した感のあるものの、
高大接続改革においては、今後の大学入試において
高校での活動を記録したポートフォリオの利用、あるいは
コンピューターを使った試験が想定されています。
そして実社会ではスマホなしの生活はもはや考えにくい状況でもあります。
どのように使いこなすか。
教育のステージはすでにそこにあるのではないでしょうか。
追伸:つい先日にはこんなニュースも流れました。
スマホを使うことに関しては、生徒側にもそうであるように、
教員側にもモラルが求められることは言うまでもありません。
(文責:吉田)