就職活動においては、大卒と高卒の間に大きな壁があります。
その壁を何とかできないか。
そんな取り組みがあるようです。日経新聞より。
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就職活動の応募は1人1社まで――。人手不足で高卒の採用熱が高まっているにもかかわらず、半世紀以上前から続くルールが企業の壁になっている。学生が複数の内定を得て企業を選ぶ大卒と異なり、高校とのパイプがない企業は採用戦線に入り込みにくい。入社後に教育することなどをアピールして、新規参入組は壁に挑もうとしている。
高校生の就職活動においては、生徒は教師から提示された数社から
1~2社を決めて選考を受けることになります。
そうなると、過去に採用実績があり、教師とのパイプのある企業が有利。
新たに高卒採用に乗り出そうとする企業は最初から苦戦を強いられます。
当初はこのルールにも当然意味があったのでしょうが、
現代においてこれを維持することは果たしていいことなのでしょうか。
子どもたちの進路開拓について、制度の再整備が求められます。
一方で、企業側は高卒人材を求める動きが活発化しているようです。
人手不足を背景に高卒を獲得しようとする企業の動きが活発だ。厚生労働省によると、2019年3月卒業の高卒の求人倍率は前年より0.25ポイント高い2.78倍と4年連続で2倍を超えた。「金の卵」の獲得を巡って企業はしのぎを削る。
現行制度の下であっても、何とか高卒人材を確保したいと願う企業側は、
いろいろと工夫を凝らしているようです。
今回ご紹介しているこの記事にも企業名や工夫がいろいろ記載されていますが、
特に気になったのはこの記述です。
高卒採用の需要の高まりに商機を見いだす企業もある。高卒採用支援を手掛けるスパーク(東京・渋谷)は企業向けに高校生をインターン(就業体験)として受け入れるサービスを始めた。5月には埼玉県内の高校生が幼稚園で3日間働いた。
厚労省の調査によると、高卒人材の入社3年以内の離職率は4割と大卒(3割)を上回る。スパークの永田謙介社長は「早く社会に接することで、どんな仕事に就きたいかキャリア観が養われ、早期離職リスクを軽減できるようになる」と話す。
なるほど、入職前に職業体験をしっかりしておくことで
ミスマッチを減らすというのは大切なことかもしれません。
実際、 海外ではインターン後の就職が見られるようです。
記事を引用します。
日本のように高校卒業の直後に就職する国がある一方、米国やフランスなどでは卒業後すぐに就職するのではなく、インターンシップ(就業体験)に参加し、キャリア観を養うケースもある。ドイツでは小学校を卒業する10歳の時点で、最終的に大学に行くか、職業学校に行くか進路が分かれ、日本のような高卒採用の概念はみられない。
現状、18歳の進路は大学進学、と考えるのが私学においては一般的、
なのかもしれません。
しかし、これは進路の一面しか捉えていないように感じます。
高校卒業時には職業や人生の方向性といった中長期を見据えて、
子どもたちが進路選択できるような支援が進むことを願っています。
(文責:吉田)